〔新版〕野蛮な来訪者(上) ――RJRナビスコの陥落

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〔新版〕野蛮な来訪者(上) ――RJRナビスコの陥落

  • ISBN:9784775972236

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内容説明

本書は、アメリカで1990年代以降の大型M&Aの先駆けとなったRJRナビスコの案件を描く長編ドキュメンタリー。

M&Aの教科書として、現在多くのビジネススクールや企業研修のテキストとなっている“古典”でもある。

1988年10月、RJRナビスコ(持ち株会社)のCEO、ロス・ジョンソンは、前年のブラック・マンデー以降40ドル台に低迷する同社の株価に目を付ける。
自社株買いによる株式非公開化、巨大企業の獲得を目指しLBOを宣言。
しかし、この経営者グループの提示価格は、買収に向け融資を取り付けた170億ドルを基準に計算され、一株75ドルと低い水準に抑えられた。

一方、最初にLBOを提案してジョンソンに一蹴された投資企業KKRのヘンリー・クラビスは、ジャンク債の利用で一株90ドルでの買収が可能と判断。モルガン・スタンレーはじめ有力投資銀行4社とともにビッド(入札)に参加する。
両グループは一時提携を模索するが交渉は行き詰まり、ついに経営グループが92ドルのビッドを発表して決裂に終わる。

その後、フォーストマン・リトル、ファースト・ボストンなどの投資会社が名乗りを上げては消え去る中、ビッド価格は94、100、105、108ドルとうなぎ上りに上昇。
リークや匿名での提供など情報をめぐる泥仕合、グループを乗り換える裏切りなど、さまざまなドラマが展開される。

最終のビッド額は、経営グループ112ドルに対し、クラビス陣営は109ドル。
そして迎えた11月30日、ついに特別委員会の裁定が下り、クラビスが勝者に決定する。
従業員に対する姿勢や今後の経営方針で、特別委員会の信頼を得たクラビスが、勝利をもぎ取ったのだ。
結局、RJRナビスコは251億ドル(当時のレートで約3兆円)に達する総額で買収されたのである。

しかし、敗者となったはずのジョンソンは約27億円の退職金と年金を手にし、経営グループの他の6名の役員たちも30億から数億円を手にした。
また、負けた投資会社も多額の手数料を手にしている。
このLBOに敗者はいなかったのか? 真実はやがて明らかになっていく。

著者は、当時ウォール・ストリート・ジャーナルの取材現場で活躍していた記者、ブライアン・バローとジョン・ヘルヤー。RJレイノルズやナビスコの誕生秘話から巨大企業への道のりをはじめ、巨額の資金をめぐる欲と欲のぶつかり合い、知恵を絞った情報戦などのLBOの裏側まで、当事者たちに直接インタビューし、克明な再現レポートを書き上げた。

本書を読めば、現在に至るアメリカ企業の買収の実態が手に取るようにわかるはずだ。
また、今回は「その後の展開:AFTERWORD」(2009年版所収)を新たに掲載。
LBOから20年経過した当事者たちの暮らしぶりや、再建に苦しむ企業の状況を確認し、1889年のLBOの意味や功罪、金融資本主義の在り方まで考えさせられる内容になっている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

nekozuki

9
今よりもずっとM&A業界が狭かった時の、大企業RJRナビスコ買収の内幕についての話。業界が狭いが故に、皆知り合いのような状況は異なるものの、実際の買収提案の検討の流れはM&A指針等が定着した今の日本にも通じるところがある。ただ、やはりアメリカはスケールが違うのは、経営陣の経費濫用もプライベートジェットの複数購入など、日本ではそう見ないような話題も出てくる。2024/09/19

エリナ松岡

7
M&Aのテクニカルな話を期待してましたが、それは極力抑えて1980年代のM&Aとウォール街のいびつな状態を伝えるほうに重きを置いている感じかなぁと思います。とにかく分量があるので物語にドップリ浸かれるのではないかと思います。RJRナビスコのロス・ジョンソンの話はどこか他で読んだことがあるので、今回は彼と同じくらいキャラが突出しているKKRのヘンリー・クラビスの話が一番面白く読めました。 2017/12/10

Haruko

6
RJR軍と称されるプライベートジェット19機始めとして破格の贅沢を堪能し、更に完全支配を目指しLBOを目論んだRJRナビスコCEOが、ナビスコ社長にもらした「あんたお払い箱だから」から、幕は上がる。悪評高いジャンクボンドを駆使した「野蛮な来訪者」である投資会社が勝者となるも、競り上がった価格は、RJRナビスコを解体へと導く。 ライオンにもハイエナにも喩えられるような登場人物のメンタリティを培ったものへと興味は尽きない。強欲の象徴として扱われる主人公側からの、回想録も読んでみたい。 2018/02/07

まめタンク

3
2019年317冊目。買収ファンドであるKKRがRJRナビスコを史上最高額(当時)のLBOで買収しました!たった1行で説明できる話を日本語版で上下巻1000ページで綴るという壮大さに驚かされます。2019/12/12

NZM

0
感想は下巻に記載。2023/09/17

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