河出新書<br> サバイバルする皮膚 思考する臓器の7億年史

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河出新書
サバイバルする皮膚 思考する臓器の7億年史

  • 著者名:傳田光洋【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 河出書房新社(2021/05発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309631318

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内容説明

生物を外界と隔てる最大のインターフェイス〈皮膚〉はいかにして我々を進化させたのか? 体毛を捨て、巨大な脳を手に入れた激動の歴史を、日本の皮膚研究の第一人者がスリリングに紐解く!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

80
人間の皮膚は脳と同じく外胚葉由来。単細胞生物にとって細胞膜自体が感覚受容器であった。7億年前多細胞生物は2つの戦略をとった。硬い殻に覆われて触覚を外に出すか、皮膚を受容体として神経系を内在するか。哺乳類の中でホモ属が体毛を失くしたのはメラニン色素と同じ約120万年前と云われ、その理由は謎のまま。皮膚は単なる境界と思われてきたが、近年の研究で五感だけでなく電位や神経伝達物質も存在することがわかってきた。ヒトは皮膚と脳を共進化させて今に至ったというのが著者の主張。数多くの論文からの推論はとても説得力がある。2021/08/25

bapaksejahtera

13
汎ゆる動物種の中で皮膚の大部分を甲羅や羽毛等で覆われない裸の生物はヒトだけ。人類はおそらく草地環境での体温調節を原因に体表を露出させたが、その表皮には進化の始まりから多くのセンサーが組み込まれ、多くの情報が脊髄を通じ脳迄運ばれる。以来人類は脳容積の拡大を果たした。表皮は同時に多くの免疫系のスウィッチを抱える。生活環境の変化はヒトに多くの過誤を与える。アトピー等皮膚疾患である。本書では進化や免疫、神経系その他の生体の機作から経絡等にも話題は広がる。文体にやや違和感はあるが資生堂の研究者らしい視点もあり面白い2025/09/27

Melody_Nelson

5
数年前、皮膚科のお世話になることが多く、皮膚について知りたいと思っていたが、本書は手軽な医学書(?)などと次元が異なり、進化論から見た皮膚について書かれていて、ちょっとBS番組「ヒューマニエンス」っぽいのだった。なるほど、我々の皮膚って凄い。こんなに薄いのに頑丈、毛がないのに守ってくれている。「意識」についての考察も興味深い。以前から、眠っているとき意識がないのに寒さを感じて布団を掛けたり(夏はその逆)、皮膚はなんて高性能!と思っていたが。ところどころ難しいが、全体としては面白い。生物の進化は、神秘…。2022/12/09

Haruki

4
外界との境界になる皮膚の進化が人間の脳を発達させ、ひいては意識のような高次システムの発端になったのではないか、という大胆な仮説を下敷きに、進化生物学的な皮膚機能と、著者の研究テーマである表皮システムをリンクさせながらケラチノサイトが持つ多彩な機能を熱を込めて語っている。皮膚のバリア機能の維持・回復に、湿度、温度、電磁波(光、電位差)、ホルモン、ストレスといった多岐にわたる物理要因、化学要因、心理要因が関わっている。ケラチノサイトがこれらに対するセンサ機能を持っており、脳と協働したネットワークと捉えられる。2022/04/05

rymuka

3
ある皮膚細胞が「痛い」とつぶやいたら、付近の皮膚細胞も反応する、というようなことが分かってきた。いや~これは立派に哲学の本だ! 『ライプニッツと西田幾多郎』がアインシュタインの感性について取り扱っているけれど、この本でのアインシュタインの取り扱いも、スゴイ。読書録あり → http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-100.html , http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-102.html2023/01/28

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