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内容説明
日本の経済システムには欧米のシステムとは必ずしも同一でない特質があるとされる。例えば、個人でなくグループ行動に頼る傾向が強い、「ものづくり」に比較優位がある、人的資本が重視される、等々である。こうした日本経済の特質が、どのような社会的文化的な条件の下に成立したかについて、本書は宗教の変化とその経済行動へのインパクトから分析する。
目次
序章 日本経済システムの探求
1 二つの個人主義と二つの経済システム
イギリス:世俗内経済活動の正当化と他者に距離を置く個人主義・供給主導型経済/
日本:求道主義と他者を意識した個人主義・需要主導型経済
2 本書の構成
第1章 経済行動と宗教はどうとらえられてきたか
1 ウェーバー、ベラーとグライフ
ウェーバーにおける経済行動の宗教的基礎/ベラーの埋没された超越性論/グライフの比較宗教論
2 本書の分析の課題と方法
3 個人主義について
第2章 宗教の変化―日英比較
第1節 イギリスにおける宗教の変化,
1 宗教改革の背景
2 宗教の変化 ルター/カルヴァン
3 イギリスにおける宗教改革
改革の経過/教皇・国王そして神/教区から信団へ:独立を目指す個人主義/イギリスの宗教改革の性格規定
第2節 日本における宗教の変化
1 宗教の変化の背景
古代律令社会の崩壊と中世社会への移行/仏教への期待と仏教界
2 仏教における革新
大乗仏教/本覚思想・鎌倉新仏教・顕密体制論
3 凡夫論の流れ:天台本覚思想
事常住の思想/仏性論/即身成仏/本覚思想における実践と悟り/草木成仏の思想
4 他力化の流れ―鎌倉新仏教
専修念仏へ/絶対他力本願
5 宗教の変化の定着と日本経済の三局面
第3節 ウェーバーによるプロテスタンティズムと原始仏教の比較
プロテスタンティズム/原始仏教/「生活態度」そして経済行動への効果
第3章 宗教の変化と経済社会システム―イギリス
第1節 身近な他者に距離を置いた個人主義
1 カルヴァン主義
予定説と他者/功利主義/薄い道徳論と他者の意識
2 イギリス経験論
オッカム/普遍論争とオッカム/ロックの経験主義
3 ロックからヒューム、スミスヘ
ロックにおける自我の発見/ヒュームの想像概念/スミスの共感と公平な観察者の慨念
第2節 所有権とその社会的機能
1 日常生活としての私有財産の肯定
日常生活の肯定/財産権
2 ロックの所有権論
『統治二論』の背景と目的/統治論と所有権論/財産所有者の権利と社会的機能
第3節 供給主導型経済システム
1 見えない買手に対する供給システム
道徳空間/身近な他者とのかかわり
2 産業革命への道
3 J・S・ミル『自由論』の個人観
第4章 宗教の変化と経済社会システム―日本
第1節 易行化と個人主義
1 現世肯定
2 求道主義
3 個人主義:自己実現と他者による評価
自己実現のための個人主義/自然との共生思想/山崎正和の「柔らかい個人主義」論/仏教における他者の意識
第2節 手工業における需要主導型生産システム
律令制の下の官営工房と運輸交通組織/私営工房化と商品市場の展開/求道主義と工芸の発達・ものづくり/
室町期における首都市場圏と地域間流通
ほか
感想・レビュー
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koji
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