ハーパーコリンズ・ジャパン<br> 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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ハーパーコリンズ・ジャパン
短編回廊 アートから生まれた17の物語

  • ISBN:9784596552150

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内容説明

その芸術はいま、語りはじめる――。

ゴッホ、ルノワール、葛飾北斎ら
美の巨匠に捧げる短編集。
名だたる作家17人による文豪ギャラリー第2弾!

作家ローレンス・ブロックは頭を悩ませていた――エドワード・ホッパーの絵から紡いだアンソロジー『短編画廊』の第2弾を計画しているのだが、いったい今度は誰の絵をモチーフにするべきか。思い悩んだ末、ブロックはある考えにたどり着く。何もひとりの画家でなくていい。今度は作家たちに、好きに名画を選んでもらおう。かくして、ジェフリー・ディーヴァーはラスコー洞窟壁画を。S・J・ローザンは葛飾北斎を。リー・チャイルドはルノワール、ジョイス・キャロル・オーツはバルテュス……といった具合に、今回も個性豊かなアートから物語が生まれ、新たなる〈芸術×文学〉の短編集が完成する。ここに文豪ギャラリー第2弾が幕を開けた――。


○収録作品
「安全のためのルール」ジル・D・ブロック/田口俊樹 訳
「ピエール、ルシアン、そしてわたし」リー・チャイルド/小林宏明 訳
「扇を持つ娘」ニコラス・クリストファー/芹澤 恵 訳
「第三のパネル」マイクル・コナリー/古沢嘉通 訳
「意味深い発見」ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子 訳
「理髪師チャーリー」ジョー・R・ランズデール/鎌田三平 訳
「ジョージア・オキーフの花のあと」ゲイル・レヴィン/田口俊樹 訳
「アンプルダン」ウォーレン・ムーア/芹澤 恵 訳
「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」デイヴィッド・マレル/浅倉久志 訳
「美しい日々」ジョイス・キャロル・オーツ/芹澤 恵 訳
「真実は井戸よりいでて人類を恥じ入らせる」トマス・プラック/田口俊樹 訳
「グレートウェーブ」S・J・ローザン/直良和美 訳
「考える人たち」クリスティン・K・ラッシュ/田口俊樹 訳
「ガス燈」ジョナサン・サントロファー/芹澤 恵 訳
「陽だまりの中の血」ジャスティン・スコット/田口俊樹 訳
「ビッグタウン」サラ・ワインマン/芹澤 恵 訳
「ダヴィデを探して」ローレンス・ブロック/田口俊樹 訳


○収録アート一例 ※全18点をフルカラーで挿入
Cypresses―「糸杉」フィンセント・ファン・ゴッホ
The Empire of Light―「光の帝国」ルネ・マグリット
Greatwave―「神奈川沖浪裏」葛飾北斎
Bouquet of Chrysanthemums―「菊の花束」ピエール=オーギュスト・ルノワール
The Thinker―「考える人」オーギュスト・ロダン
David―「ダヴィデ像」ミケランジェロ・ブオナローティ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

208
7月の第一作は、名だたる外国人作家17人による文豪ギャラリー短編集です。17人の内、既読は3人のみでした。 オススメは、「美しい日々」ジョイス・キャロル・オーツ& 「真実は井戸よりいでて人類を恥じ入らせる」トマス・プラック&「ビッグタウン」サラ・ワインマンです。 https://www.harpercollins.co.jp/hc/books/detail/138172021/07/01

KAZOO

107
前作が一人の絵画作家の作品を中心としたものでしたが、今回はそれぞれ異なった作品を中心に話が進んでいくものが多い気がしました。それなりの高名な作家のアンソロジーなのですがページ数が限られているせいかものたりなさが残りました。前作の方が印象に残った感じでした。2021/10/19

藤月はな(灯れ松明の火)

101
前回はエドワード・ホッパー作品中心でしたが、今回は壁画、彫刻なども含めた作品を基に作家が物語を紡ぐ。傾向としては芸術家の半生にクローズアップした作品、多し。「安全のためのルール」は陪審員裁判での公平性をどう維持するかが描かれる。一方で自分の心を一生、縛るきっかけになった事件と似た裁判に挑もうとする女性の心の揺れが痛々しい。「扇を持つ娘」はゴーギャンに扇をあげた大家の娘(ヴァネッサ)、ゲシュタポから芸術を守ろうとするユベール、そして扇を持つモデルの女性の物語が交差する構成だ。収まる所に収まったラストに安堵。2021/10/19

ずっきん

85
『短編画廊』に続く絵画に触発されたアンソロジー第二弾。ローレンス・ブロックはなんと書けなかったらしく既出の『ダヴィデを探して』 今回は絵や画家そのものを題材にしたものが多かったように思う。個人的には北斎からの『ビッグウェーブ』がダントツに好み。『アンプルダン』の不穏な叙情と余韻。両作品とも幕引きに、ああ、と声を漏らす。『オレンジは苦悩,ブルーは狂気』も三十年も前の既出作品ながら素晴らしい。全体的なトーンは前作の方が好きだけれど、どれもこれもズシッと腹にくる読みごたえ。日に一、二篇ずつしか読めなかったほど。2021/09/09

kaoru

77
絵をモチーフにした17つの推理短編。錚々たる書き手ばかり。D.マレルの『オレンジは苦悩、ブルーは狂気』はゴッホがモデルと思しき画家の絵が人々を狂わせて行くさまを綴る。J.C.オーツの『美しい日々』は理想の少女を描いたバルチュスの芸術に対する女性からの異議申し立てとも呼ぶべき怖い作品。『扇を持つ娘』はタヒチを訪れたゴーギャンの絵に描かれた現地の娘の追想。絵がもたらすインスピレーションから紡がれた物語ばかりだが、鋭い眼差しに時にはっとさせられる。L.ブロックの『ダヴィデを探して』は私にはいささか強烈過ぎた。2023/06/18

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