内容説明
なぜ人生はこんなにも生きづらいのか
夏目漱石の「こころ」と累計発行部数1位を争う自伝的小説。太宰治は連載完了と同時に自殺。伝説的な小説がイラストと共にライトノベル感覚で読める。
ネグレクト、幼児虐待、アルコール依存、薬物依存、自殺未遂、現代に通じる社会問題が描かれ、現代の生きづらさに通じる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あまつ
22
なんだか海外で話題になっているという事を聞き、再読。本書は現代仮名遣いに直されている上、語句の注釈も多くて読みやすく仕上げられている。初めて読む人に勧めやすそう。この本を読むと、「人間」という言葉が、そらおそろしい物に感ぜられる。2022/02/13
amhon
1
こちらの人間失格は現代仮名遣いに直されていて読みやすいです。10代に初めて読んだときは話が暗すぎて、読後も気分が落ち込んでいたのを思い出しました。主人公がひねくれている、というか考えすぎだろ〜〜と言いたいのは今も変わらず。誰にだって多少の道化をしながら生きているわけであって、主人公のように逐一まわりの反応を考えながら行動していたら、もう頭がおかしくなります。たとえ見たいと願ったとしても、絶対に見えない人間のそのとき一瞬の心情に常に怯えていた主人公こそ、太宰治自身だったのでしょうか。2021/08/13