内容説明
DIY=平和な工作活動 からだを動かしながら考えよう。
革命の最前線は<日常>にあり。
里山に移住した哲学者・アナキストによる
実践的ゆるゆる「生活の哲学」入門講座。
「さて、どうしようか。
お金はあっても生きていけるが、なくても生きていける。
どこへ行っても、その人が必要とされ、その人の能力が
発揮されるであろう場所は、ある」
福岡のとある里山地域に移住した著者は、どのように
「生活」を哲学=行為していったのだろうか。
拠点づくり/食料の確保/活動資金の得方/料理/日常のずらし方/
お金の秘密/子育てと教育etc…
日常に根差した哲学を実践的、かつ等身大のことばで語る、革命日誌。
【目次】
はじめに
第1章:家探し――まず、拠点をつくる
第2章:農作業――食料を確保する
第3章:仕事――活動資金を得る
第4章:料理――活きる力を養う
第5章:旅行――ぶっ飛んで日常をずらす技法
第6章:カネとリャク――この世の仕組みを考える
第7章:音楽――music unites everything?
第8章:映画――日常を脱構成せよ
第9章:本――言葉で戦え
第10章:子育てと教育――革命を「育成」するということ
第11章:革命――自分の居場所を作るということ
第12章:家探し、再び――ずれて、拠点を作り、またずれる
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
16
著者の本は二冊目。今年度は栗原康に激ハマりしているので、アナキズム本を読み進める。旅行も、学問も、読書も、音楽も、映画もすべて旅なんだっていうのが共感でき過ぎて最高だよね。極貧でも子育てしながら田舎のコミューンで暮らすという著者の生き方には憧れる。2022/12/15
冬佳彰
16
アナキズム研究家、って言うかアナキストの著者による革命日誌。311を機(わざわざフランスから戻られたらしい)に、東京から福岡の里山暮らしを経て、長崎に移住するまで。家探し、農作業、仕事、料理、旅行、子育てなどなどの生活記に、フランクな雑感・迷い・楽しみ・怒り、アナキズム思想の紹介が混じる。いやー、破天荒な暮らし振りに頭が下がる。破天荒=不真面目ってんじゃあないな。真面目・不真面目なんてのは、「何(フレーム)に対して従順か?」によるからなあ。アナキストの本を読むと、元気になる。2021/08/17
takeapple
12
ずっと考えていて、半ば実践してきたことを言葉にしてくれるのが学者先生ならば、森元斎さんは、私にとっての先生なんだろう。しかし、私であってもこんなに過激はないし、何より私はただの田舎のおっさんだからな。まあ来年の4月以降の生き方に、なるべく資本主義的でない生き方をしていくという方向を肯定してくれる内容である。この人に会って話をしてみたいものである。2023/01/08
よきし
4
なんだかやっぱり日本人アナキストの書いた本は今ひとつしまらないのだけれども、それでもやっぱり所々は面白くって、ゆるゆると読了。栗原さんの影響も受けつつ、もう少し地に足を付けて生活者として見えている感じは良い(栗原さんがダメというわけではない)。革命後を実践してみせることがアナキストの務めというのは強くうなずく。自分も口ばっかりではなく、どう行動するか、だなぁ。ほんとに。2021/09/23
26-ring-binder
3
高学歴、しかも世間のいわゆる良い大学ではなく日本の最高学府で哲学博士まで修めてしまった著者の高学歴・ワーキングプア問題に対する投げかのように思う。米国なら教授ポジションを維持するため企業・個人からの寄付も多額であり、その寄付で成り立つ冠教授ポジションもある。日本では大学の人件費のアタマ打ちから特定の科学技術先端分野でもない限り満足な報酬が得られない。ところがどっこい博士たちはなんとか生きている。タレント的知名度の有名教授たちを斜めに見ながらそれでも社会問題を諧謔的に切り取って笑え楽しめる文章だった。2021/08/14