内容説明
1983年に起きた、ハイネケンCEO誘拐事件から数十年。事件の実行犯の一人であったヴィレム・ホーレーダーは、釈放後も裏社会のボスとして数々の凶悪犯罪に手を染めていた。彼の妹で弁護士でもあるアストリッドは、危険を冒しつつも、兄の悪事を暴こうと奮闘する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
23
表紙写真は、ちょうど目が隠れている。しかし頁を開くと、目の部分だけが写されている。両方見れば、ウィレム・ホーレーダーの顔になる。写真の元になったのは、自身の裁判の時のものだ。そう、誘拐犯は一人残らず逮捕された。映画の通り、その後誘拐をネタに警備会社を設立したハイネケン氏の方が一枚上手だったわけだ。一度狙われたのだから、二度は狙われない。嫌悪感は、姉の夫でウィレムの友人でもあったコルの暗殺に、ウィレムが関わっていると確信して一層強まり、遂に兄を告発するために動き出す。兄が塀の中にいるからこの本を書けたのか。2023/04/20
本の蟲
10
映画化した実際の事件「ハイネケンCEO誘拐事件」。逮捕されてなお隠し通した身代金を利用して、裏社会の大物にのしあがった実行犯ウィレム・ホーレーダーを、実妹が告発するに至ったノンフィクション。暴力で家族を支配した父そっくりになっていった長兄ウィレム。誘拐への関与を疑われ、犯罪者一家の烙印をおされたホーレーダー家。仲たがいしたもう一人の実行犯、妹の夫である義弟コルへの暗殺指示。その事実を知っていても、疑いや非難を表に出せば殺される恐怖。隠語や身振りだけで、決定的な言葉を使わずに相手を脅迫・殺害するその手口(続2022/07/10
kinoko-no
2
壮絶な話だった。オランダのハイネケン誘拐事件の主犯の妹が自分の兄の恐ろしいまでの支配からいかに這い出るかという葛藤を描いた実話。マフィアのような人間でも家族に対しては愛情を持っていると思ってたがウィムは自分の思い通りにいかないとなれば血のつながった家族でさえその命を奪うこともいとわない人間。ウィムの支配から物理的に切り離されても彼女たちはいつ自分の命が奪われるか心休まる都がないのがさらに恐怖である。2023/06/08
takao
1
犯罪者である実の兄を告発2025/02/24
JIVAN
1
反社会勢力と関わるのがいかに危険か、よーくわかった。本書は特に厄介なケースだけど、親族だろうと一度関わりを持つと底なし沼にはまる恐れがあるんだなぁ。絶え間ないDV、サイコパス描写で読んでいて胸が痛む。2022/12/09
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