内容説明
2020年4月の緊急事態宣言以降、ソーシャルディスタンスが当たり前になっていく人々の様子、街の様子を、丁寧に、静かに描き続けた今日マチ子さん。頑張る人にそっと寄り添うような視点で描かれた一冊です。漫画家・今日マチ子さんの想いが詰まった1年間の日記のような作品集。
【著者】
今日マチ子
東京都出身。東京藝術大学、セツ・モードセミナー卒。自身のブログで、ほぼ毎日更新のショートマンガ『センネン画報』が単行本化され注目を集める。2005年に第1回「ほぼ日マンガ大賞」入選。2006年と2007年『センネン画報』文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」2年連続選出。2010年『cocoon』、2013年『アノネ、』が、文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」選出。2014年『みつあみの神様』で手塚治虫文化賞新生賞、2015年『いちご戦争』日本漫画家協会賞大賞(カーツーン部門)受賞。
目次
◆April 2020
4/7 7都道府県に緊急事態宣言「人の接触 最低7割極力8割削減を」
4/11 国内の1日の感染者数多数の700人超
4/16 緊急事態宣言全国に拡大
◆May 2020
5/4 政府「緊急事態宣言」5月31日まで延長
5/14 政府 緊急事態宣言 39県で解除
5/20 夏の全国高校野球 戦後初の中止決定
5/21 緊急事態宣言 関西解除
5/25 緊急事態の解除宣言 全国で解除
他
各月ごとに時系列に日記を掲載しています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
94
コロナでどこにも行けず、テレビで感染拡大することを他人事のようにぼーと眺めていた時期を思い出す。どこにも旅行に行けず、学校も休みになり、ソーシャルディスタンスで仕事場の働き方も大きく変わった。今では、むしろあの頃のことを思い出すことはなく、旅行を当然の様に楽しんでいる。この本では、2020年4月から2021年4月まで日常の風景をイラスト1枚とショートコメントで日記のように描いていて、あの頃のやるせない気持ちを思い出す。誰かと会って話したり、どこかに出掛けるという、なんでもない日常の大切さを改めて思う。2025/04/06
ぶんこ
58
コロナが騒がれ始めた2000年4月から始まった絵日記。水色を基調とした絵が当時の情景を表していました。住む所を選ぶ基準が図書館の近くというのが同じなので、あの頃は図書館から本を借りるのも難しかったと思い出す。普段から用事がないと外出せず、家にこもっていることが苦痛ではないので、こうしてコロナ禍の閉塞感で苦しむ人は大変だったろうなと感じました。しかし、こんな素敵な絵日記を描ける能力と感性をお持ちなのが羨ましい。絵からは怒りよりは切なさが滲むようで、今日さんにエールをおくりたくなりました。2023/06/19
とよぽん
45
以前から今日マチ子さんの絵と文を読みたいと思っていた。2020年春からの、あの日々。地方によって少しずつ事情は違うと思うが、当時を振り返る冷静さを、今多くの人はもっている。辛いこと不安なことが多かったし、世の中の悪い面が顕在化、可視化した。しかし、100%マイナスではなかったと、今は思う。不要不急のこと、慣例的、なんとなくやってきたことの真価を見定めるきっかけにもなった。絵も文も静かに訴える力があると感じた。2024/10/25
わむう
30
新型コロナウィルスにより緊急事態宣言が発令され、生活の全てが変わってしまった2020年4月からの街の様子や日常をイラストで日記形式に綴った本。2021/09/09
水色系
29
蔦屋書店を散策してて見つけた本。絵の美しさとシンプルかつ素敵なレイアウトにうっとり。ファンになった。コロナ禍はじまってからの1年の日記で、2020年春のあのどうなってしまうんだろう感を思い出した。2022/07/23