内容説明
昭和、平成、令和と変わり、いまや親子で歴史の知識や認識も大きく異なることがしばしばです。かつて1万円札の顔だった「聖徳太子」の肖像は「聖徳太子と伝えられる肖像画」となり、その存在も議論を呼んでいます。鎌倉幕府の始まりの年号といえば、1192年で「いい国作ろう」と覚えましたが、現在では1185年で「いい箱作ろう」という語呂合わせに。新事実や研究の進展で変わる日本史の教科書。その経緯や事例の紹介を通じて、新しい通説がわかる一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1.3manen
54
所属高校図書室より。教科書は大学研究者が執筆、高校教諭と検討会。高校の先生が読んで文科省に審査してもらう(103頁)。本郷先生は、高校の先生から無駄の多い内容をカットするよう言われた(104頁)。面白いが、入試ではちょっと、ということらしい。だが、大学入学共通テストも対話や史料の中に、なんじゃこりゃ? も出てくる可能性もある。本郷先生は、暗記より考えることを重視するように提言(164頁)。生徒の身になれば、受かりさえすればいい。だが、主体的・対話的で深い学び。思考力・判断力・表現力を日本史Bでどうする?2022/04/27
yamatoshiuruhashi
41
鎌倉幕府の成立は「いい国作ろう(1192年)」で覚えた世代だが今は1185年説が中心になっている、と友人から聞いていた。その論拠は本書に詳しいがその判定は立場によるようだ。足利尊氏も源頼朝もその肖像画は全くの別人。そりゃ写真はない頃だし、キリストの顔も誰も知らないはずであると思えば、取り間違えもあるだろう。新しい研究で新しい意見が出てくる、そしてそれを自由に論議し紹介できている本書、読んでいて楽しい。とかく歴史教育は思想に左右されやすいが、唯物史観にも皇国史観にも距離を置く著者の立ち位置で素直に読める。2025/09/23
zag2
36
ネットでも活躍中の東大史料編纂所の本郷先生の本。かつて源頼朝とされていた肖像画が、実は別人ではないかとか、長篠の合戦には三段撃ちはなかったなど、このところ他でも耳にするようになった話が多く、必ずしも目から鱗が落ちるような話ばかりではありません。しかし単にトピックの羅列だけではなく、高校日本史の教科書のあり方、大学入試の問題、さらには望ましい日本史教育についてなどについて、本郷先生の考えが示されていて共感を覚えました。2022/06/11
Isamash
27
本郷和人・東大資料変遷所教授による2021年出版著作。聖徳太子の業績が怪しい、藤原京は平城京よりも大きい、倭寇の多くは日本人でない、武田騎馬軍団はいなかった等、昔教えられた歴史は、今ではかなり変わって理解されているとか。歴史も科学だから当然とは思うのだが。あまり面白味には欠ける話題が多く、かなり期待ハズレの気分。仕方がないのだが、凄い天才政治家兼仏教研究者の聖徳太子は古代日本に存在していて欲しいとは思ってしまった。かつて人気なかった田沼意次の政策が経済活性化の観点から再評価されているのは納得できるところ。2023/06/13
金吾
20
現在の教科書を読んでみたくなる一冊でした。読みやすかったです。2025/12/22
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