無と意識の人類史―私たちはどこへ向かうのか

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無と意識の人類史―私たちはどこへ向かうのか

  • 著者名:広井良典【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 東洋経済新報社(2021/05発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492223987

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内容説明

新型コロナウイルスの出現、大規模災害をもたらす気候の激変と温暖化、グローバル資本主義による格差と分断・・・
人類は「拡大・成長」と「不老不死」の夢を未来永劫、追い続けるのか。
地球規模での「第三の定常化」時代に向かう現在、人類が「無」をどう捉えてきたかを遡りつつ、私たちの世界観、生命観、死生観の在り方を壮大なスケールで問いなおす。
人口減少・定常型社会の社会保障、コミュニティ、死生観、哲学等、ジャンル横断の研究・発言を続けてきた第一人者による人類史への気宇壮大なアプローチ。

[第一の定常化]ホモ・サピエンスの増大 →転換1「心のビックバン」
[第二の定常化]農耕と都市の拡大 →転換2「枢軸時代/精神革命」
[第三の定常化]近代の進歩 →転換3「地球倫理」へ
人類は新たな「生存」の道への転換を図れるのか?

「狩猟採集社会や農耕社会それぞれの拡大的発展において、それが資源・環境的な制約にぶつかった際、人間はそれぞれ『心のビッグバン』『精神革命』という大きな意識転換あるいは従来になかった思想ないし観念を生み出し、…新たな『生存』そして『創造』の道を見出していったのだ」(本文より)

目次

イントロダクション:生の有限性、地球環境の有限性
第1章 無と死を考える時代
第2章 有限性の経済学
第3章 超長期の歴史と生命
第4章 無の人類史
第5章 「火の鳥」とアマテラス──再生と両性具有
第6章 有と無の再融合
エピローグ:時間の意味
参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおにし

22
人類史を俯瞰すると人口も経済も拡大・成長と定常の繰り返しであった。そして定常期には人類の精神面で大変革が起きている。現在は第三の定常化に差し掛かる時期であり、広井さんによれは、我々の死生観に大きな変革が起きるであろうと予言している。生と死の境界線は薄まりグラデーションとなり、さらには非生命ー生命―人間の境界線も消え、アニミズム的世界観が受け入れられるだろうとのこと。最新物理理論が仏教の教えにどんどん近づいてきているので、これから広く受け入れられていくのではないかと思う。2022/05/02

あっきー

22
⭐3 再読、田の神様を自宅でおもてなしする「あえのこと」という祭事があるが死と生が連続する死生観の章の「私の死後に子孫あるいは私を知る人が、ある場所でお盆で迎えに来てくれるあるいは思い出してくれるというその情景を私がたしかに思い浮かべることができるならば、私はいわばその風景の中に溶け込み人々やコミュニティ、自然や風土とともにその場所に存在し続けるという確信をもつことができるのである」自分はまさにこの祭事のことを言っているなと思う2021/10/11

ta_chanko

21
狩猟採集社会の限界➡心のビッグバン(ラスコーの壁画・装飾品)。農耕社会の限界➡精神革命(普遍宗教・思想)。産業化社会の限界➡地球倫理(SDGs?)。現代は第三の定常化の時代。外への拡大・成長から内面の充実への転換期。直線的・二項対立的な価値観から、円環的・連続的な価値観へと変わっていく。生と死、有と無、男と女、大と小など、あらゆるものの境界が曖昧になり、連続的・円環的につながっていく。どんな時代になるのか楽しみ。ただし、ハードランディングにならなければ…。2021/08/21

あっきー

20
⭐3 持続可能な社会に転換する新しいイデオロギーを提案する目論見だった、材料は揃ったが料理完成せず何となく結論がはっきりしないまま終了、手塚治虫の火の鳥を読んで自分で考えろという丸投げなのか?柳田の先祖供養や漁村や認知症とかの連続する死生観、また時間についての宗教の考え方の違いについてはかなり面白かった、著者も多世界信者みたいなので今後注目していきたい2021/10/04

まゆまゆ

16
私達が生きていく上で直面する「生の有限性」「地球環境の有限性」に対してどう向き合っていけばよいのか。経済学をはじめ現代社会では世界そのものを「無限」の存在としてとらえている。そこに自己完結的な自我が加わり、技術革新もあって人々の意識が変化していった。しかし今は多くの人々が様々な物事の有限性について気づきはじめている。その上で、自我を超越したもの、すなわち個人を超えてつながる何か、コミュニティをはじめ自然、生命、宇宙、を意識したうえで生を営んでいくことが求められているのではないか。2021/08/16

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