岩波ジュニア新書<br> 音のない世界と音のある世界をつなぐ - ユニバーサルデザインで世界をかえたい!

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岩波ジュニア新書
音のない世界と音のある世界をつなぐ - ユニバーサルデザインで世界をかえたい!

  • 著者名:松森果林
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2021/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005007769

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内容説明

10代で失聴した著者は,周囲の無理解や偏見に悩みながらも,健聴者と共に生きる社会をユニバーサルデザインのコンサルティングを通じて模索してきた.生活用品から公共施設,さらには情報のUD化まで幅広く手がけるのは,誰もが暮らしやすい社会にしたいとの一念から.UDの今を知るだけでなく,理解を深めるのに最適の一冊.

目次

はじめに┴プロローグ ここは手話カフェです┴第1章 静かな大惨事―音のない世界から┴震災から見えたこと/障害者の死亡率/「今,何が起こっているの? どうしたらいいの?」/「危険」が聞こえない,ということ/「生字幕」に対応したテレビ局/テレビの字幕とは/だれに対しての手話通訳か?/停電は聴覚障害者のコミュニケーション手段を奪う/「コミュニケーション障害」と「情報障害」/そのとき被災地の聞こえない子どもたちは/佐々木主磨君の体験/千葉優美さんの体験/三條万里さんの体験/三人の体験から考える/だれもが安心して暮らせるユニバーサルな社会とは┴第2章 音のない世界から見た社会┴「音のある世界」と「音のない世界」/情報は目から入ってくる/「?」を「!」に/聴覚障害とは?/聴覚障害の種類/聴覚障害の表記のいろいろ/聴覚障害の程度/身体障害者福祉法における聴覚障害者/コミュニケーション手段/音を教えてくれる聴導犬/情報保障とは? コラム・手話通訳になるためには┴第3章 ユニバーサルデザインで世界をかえたい┴「普通」って何? 自分らしさって何?/少しずつ聞こえなくなる/11歳の決心/皆と同じように/聞こえるかどうかテスト/やっぱり「聞こえない」/聞こえないことは外見ではわからない/何でも話せるたった一人の友だち/そして全ての音が消えた/目標が見つかる/「自分らしさ」をつくりあげていく/ユニバーサルデザインとの出会い┴第4章「聞こえない」と「聞こえる」をつなげていく┴「共用品ネット」で広がる世界/新しい体験/ママたちの井戸端会議が「井戸端手話の会」へ/気が付けば医師の上にも十数年/子どもたちにも広がるユニバーサルデザイン思考/手話通訳がつなげてくれる二つの世界/講演で「伝える」/書いて「伝える」/本が私に伝えてくれたこと/「うれしい」「楽しい」「面白い」が原動力┴第5章「私だからできる」を仕事に┴「聞こえないこと」が強み/当事者の実体験を提案する/ワサビの臭いで火災を知らせる!/羽田空港新国際ターミナルのユニバーサルデザインにかかわる/広いスペースとわかりやすいアクセス,そして見やすいサイン/トイレいろいろ/世界初のステップレス搭乗橋/情報を視覚で得る人のために/フライトインフォメーションボード/トイレのフラッシュライト/エレベータの聴覚ボタン/筆談ボード・コミュニケーション支援ボード/頼もしいコンシェルジュ/テレビ電話による手話対応サービス/違いを乗り越える/CMにも字幕を!/あきらめずに発信を続ける/「できない理由」ではなく「できる方法」を見つける/ついに国が動き出した/日常のアクシデントをチャンスに変える/一〇〇回ダメでも一〇一回目はうまくいくかも!/ユニバーサルデザインを広げていくために/仕事を助けてくれるツール/テレビ出演でつながる/疲れたら休もう┴主要参考文献・資料┴おわりに┴章扉・本文イラスト=村山宇希┴手話監修=松森果林

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おせきはん

13
聴覚に障がいのある著者が、ユニバーサル社会の実現に向けて取り組んできたことについて語っています。障がいのある方々の悩み、ご苦労も、障がいの程度や種類などによって様々です。多くの方々の意見に接し、意見交換を重ねながら相互に理解を深め、よりよい方向を目指していくことと、状況の改善のために情報技術を活用することが、これからも大切だと改めて思いました。聴力の衰えを受け入れられず、ご苦労されていた中学生・高校生時代の様子が率直に語られていたのも印象に残りました。2019/11/30

bros

11
自分読み。学校本部役員としての参考資料。著者はNHKの手話で見かける方。思春期に中途失聴になられて読んでいくうち涙がでた。通常時でも生活しにくい状態なのだと読んでみて改めて感じた。と同時に緊急災害時を想定すると、もっと深く掘り下げて対策しなければ、ならないと。世界の誰にでもわかるユニバーサルデザインを最初から取り組む姿勢が必要。もっと視野を広げて心を広げていきたいと思った。2015/06/13

ひまり

10
私は音楽に興味があり、この本を手に取りました。生活の中には音が溢れていてそれがない世界がどんなものかというのはやはり実際に体験した人にしかわからないものがあるなあと感じました。ユニバーサルデザインを進めていく中で聴覚障害者の方と視覚障害者の方、車椅子の方、求めているものは当たり前に違うわけで全ての要望を取り入れられるわけではないし、時には要望同士がぶつかってしまうこともあると気付かされました。どちらの意見を採用するべきか話し合ったり上手く組み合わせたりしていくことが必要なんだと思いました。2025/04/01

ゆうき

8
良本。2017/06/17

K K

4
素晴らしかった。 わたしは仕事柄通訳、翻訳をしていますが、企業勤めで結局利潤追求のため社会に役立っている喜びはありません。 そんな中当初に出会い衝撃を受けました。耳の聞こえないことがわたしの強みとおっしゃっている松森さんには素晴らしい使命やエネルギーを感じます。わたしなんて甘々だな、と恥ずかしさを覚え襟元を正したくなりました。逆境こそ恩寵なり。人生に絶望なし。 もっと人の役にたつ仕事を将来やりたいと思いました。2018/03/24

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