ディアンジェロ《ヴードゥー》がかけたグルーヴの呪文

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ディアンジェロ《ヴードゥー》がかけたグルーヴの呪文

  • ISBN:9784866471440

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内容説明

耳に取り憑く、呪術的グルーヴの快楽(エクスタシー)に溺れる――
R&Bの革新者の人生と金字塔アルバム《Voodoo》誕生物語。

■幼少期に教会で歌ったゴスペル・ミュージックからの影響など、ディアンジェロのルーツを探る。
■エレクトリック・レディ・スタジオでの音楽的実験とソウルクエリアンズ。
■「Untitled (How Does It Feel)」の突然の幕引きが意味するものとは?
■男性原理にスポットライトを奪われた、『Voodoo』陰の立役者
■「セックス・シンボル」として祭り上げられることの代償
■『Voodoo』だけでなく、デビュー・アルバム『Brown Sugar』や最新作『Black Messiah』も考察。
■日本語版には、1995年のディアンジェロ来日に同行した訳者・押野素子のあとがきと木津毅による解説を収録。

〈目次〉
過去は現在の序章(プロローグ)
第一章 呪文は唱えられた
第二章 ホーム・クッキング――男性原理にスポットライトを奪われた愛しい人
第三章 グルーヴを探して――画一的な拍子はお断り
第四章 悪魔のパイ――“盗まれた土地”=アメリカで搾取される、“盗まれた肉体”=黒人男性のサヴァイヴァル
第五章 内なる乙女が歌い上げる愛と官能
第六章 “題名のない”ヴィデオに殺されかけたR&Bスター
第七章 良作は口に苦し――《Voodoo》の評価をめぐって
エピローグ――黒い救世主(ブラック・メサイア)の降臨と、果たせなかった「聖なる三位一体」の夢

マイケル・アーチャーの呪文(スマイル)にかけられて――訳者あとがき 
解説 「男らしさ」の呪縛を解き放った《Voodoo》の先見性 文=木津毅


押野素子
東京都出身。米・ワシントンD.C.在住。青山学院大学国際政治学部、ハワード大学ジャーナリズム学部卒。訳書に『ヒップホップ・ジェネレーション』(リットーミュージック)、『フライデー・ブラック』(駒草出版)、『MARCH』(岩波書店)、『THE BEAUTIFUL ONES プリンス回顧録』(DU BOOKS)など。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

34
美しい容姿を余すところなく見せるPVで運命が変わってしまった才能あるミュージシャンを、情熱をこめて語っている本です。セクシーなミュージックPVは数多くあれど、これが黒人男性独特の「マチズモ」を脅かしたことは容易に想像がつきます。だれが演出?予算がなかった?なぜこの音楽的才能だけで売らなかった?色々考えながらPVを見ました。「アフリカン・アメリカンの大半にとって、人生は綱引きの連続だ…」で始まる第四章を読めただけでもこの本を手に取った価値あり。アメリカという複雑な国の一翼を担う世界を垣間見せてくれます。2021/07/06

しゅん

11
めちゃおもしろかった。今では名盤の地位を確固たるものとしている2000年のアルバム。かつての恋人アンジー・ストーンの物語から始まる構成、Voodooのグルーヴとリリックの分析から、MVの衝撃的ヌードとその功罪に話が向かう中で、Dの人間的弱さが見えてくる流れが良い。押野さんと木津さんの解説も良かった。男性/女性の間の葛藤が本作のテーマ。「あいつはオカマだ」と差別的反応をDに向ける人がいるというのは、日本語圏にいるとなかなか意識できない。 2021/10/01

椿 釦

10
まぁ、ブラックミュージックに興味のない人が読んでも面白くはない気もするけれど…。ディアンジェロというミュージシャンが、どうブラックコミュニティで受け入れられてきたのかを読めたのが興味深かった。男性からの反発が多かったというのがどんだけマッチョなんだよ!と。アフロアメリカンでゲイだと、本当に肩身が狭いんだろうな、と思う。ディアンジェロはゲイではないけれど、ただ、女性への愛をセクシーに歌っただけで拒否られてしまうなんて。男らしさを必要以上に求められていたんだろうな。時代はかわる。そんな希望も見える本。2021/06/20

72ki

3
一冊まるごとディアンジェロが2000年にリリースした2ndアルバム『ヴードゥー』について書かれた本。リリースまでの経緯、楽曲分析、歌詞とその背景の考察、著者自身の体験と感想、「あのビデオ」について、リリース後のリアクション・波及効果とこの名盤についてありとあらゆる角度から書かれているのだが、読後感は、なんとおそろしいことに、物足りないもっともっと読みたい、なのだ。(あとがきと解説が少しは癒してくれている) 私は、私達は21年経ってもまだまだ『ヴードゥー』にハマり続けている。2021/05/14

小泉

2
『R&B 馬鹿リリック大行進』と併読。「疲れ目にはプッシーが一番」「ビッチ3人 オレ1人 3Dってとこだな」なんて酷すぎるリリックと、「あのヴィデオ」が女性たちに与えた興奮と解放、その後の功罪についての考察を読むに、よく分からなかった「性的消費」という言葉への理解の端緒をつかんだ気がする。2021/11/21

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