内容説明
いまだ敗戦を否認し続けているために「対米従属」を続けざるを得ない日本。『永続敗戦論』で一躍注目を浴びた著書が、占領下から55年体制の成立、冷戦後の混沌から現在まで、日本政治の70年を鋭利に考察、近代資本制社会の行き詰まり、排外主義、反知性主義の横行などの世界的な潮流をふまえながら、真の「戦後レジームからの脱却」の道筋を描く。戦後政治を乗り越えるための羅針盤!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
43
永続敗戦論で有名になった著者が書ききれなかった部分を書いた新書。俯瞰的に戦後日本社会の構造的な変化を描いてはいるものの、様々な人達の意見や主張を繋ぎ合わせただけという感じも否めず。論点が拡散しすぎていて、終章の主張もやや説得力不足。2016/05/27
呼戯人
21
日本の対米従属路線の緻密な歴史的分析。日本の左翼はアメリカ占領軍のGS、すなわち文民の民主主義路線を受け継いでいる。また戦前ファシストであった政治家や官僚が占領軍のG2の軍部路線を受け継いで保守層を構成してきたこと。それが、冷戦構造と55年体制を支えて、日本の対米従属路線を構成してきたことを分析している。そして、ソ連の崩壊によって自己目的化し、今までは隠されて見えなかった構造が、あられもない形で顕現してきたのが現在である。すでに冷戦構造はなくなったのに、日本だけがそこに取り残されたままなのである。2016/04/17
とよぽん
16
白井聡さんという政治経済学者のすごさに驚いた。一気読み。こんなに筋の通った分かりやすい文章で、日本の戦後政治を書いた本があったとは!感動した。この人は、政治家にはならないのだろうか。2018/02/26
樋口佳之
12
ここ2年位に読んだ本が次々紹介されていまして、自分の頭の整理になりました。/戦後政治を描く話として、一つ残念なのは、革新自治体と呼ばれた自治体(最近では民主党政権同様あまりに不当に酷評されていて残念)の歴史、その軸となった社共共闘と80年社公合意による共闘の挫折が巻末の年表にさえないことです。/この話が無いと、今運動に押される形で生まれつつある共産党をも含む野党共闘の重大さ(運動の側、政権側双方にとってのです)が見えないと思いました。/2016/06/01
どら猫さとっち
10
「永続敗戦論」の著者が、鹿児島大学院での講義をもとに構成された、これからの日本の在り方。対米従属から新安保法制、反知性主義、右傾化が蔓延しているこの国の正体を解き明かす。安倍首相がいう「戦後レジームからの脱却」は、間違っている。もしこのまま戦争へ向かってしまったら、また同じ苦しみを抱えなければならないのか。今考えなければならないことを、本書は問いかけている。2016/04/16
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