内容説明
プラスチックは電気を通さないという通説をくつがえし,2000年ノーベル化学賞に輝いた導電性プラスチック。一見難しそうだが,じつは簡単に合成できる。本書では,学校や公民館などの講義やイベントで活用できる実験を紹介する。
目次
Ⅰ. 導入編
1. 導電性プラスチックについて知ろう
1.1 プラスチック?高分子?ポリマー?
1.2 「プラスチックは絶縁体」は常識か?
1.3 常識では考えつかなかった電気をとおすプラスチックの誕生
2. ドーピング
2.1 ドーピングとは
2.2 化学ドーピング
2.3 電気化学ドーピング
2.4 ドーピングによる荷電担体の生成
導電性プラスチックとセレンディピティー
Ⅱ. 実践編
実験をする前に
3. もっとも簡単な実験─触媒酸化重合によるポリピロールの合成─
3.1 ポリピロール
3.2 ピロールの重合反応と触媒のはたらき
3.3 実験
4. 電気でつくる電気をとおすプラスチック─電気化学重合によるポリアニリンとポリチオフェンの合成─
4.1 ポリアニリン
4.2 ポリチオフェン
4.3 電気化学重合
4.4 エレクトロクロミズムとドーピング
4.5 実験
5. 電気を貯めるプラスチック─ポリピロールの二次電池への応用─
5.1 一次電池と二次電池
5.2 固体電解コンデンサー
5.3 ピロールの電気化学重合
5.4 実験
6. これがスピーカー?─PEDOTの透明フィルムスピーカーへの応用─
6.1 ポリエチレンジオキシチオフェン
6.2 フィルムスピーカー
6.3 実験①:EDOTをフィルム上で触媒酸化重合する方法
6.4 実験②:市販のPEDOT/PSSを塗布成膜する方法
7. 手づくりの有機EL素子─PEDOTとMEH-PPVを使った高分子有機EL素子─
7.1 有機EL素子
7.2 ポリフェニレンビニレン(PPV)
7.3 実験
8. 手づくりの太陽電池─PEDOTを使ったペロブスカイト型太陽電池─
8.1 太陽電池
8.2 ペロブスカイト型太陽電池
8.3 実験
9. ポリアセチレン─電気をとおすプラスチックの原点─
9.1 ポリアセチレンとは
9.2 ポリアセチレンフィルムの合成
化学実験教室の企画・開発・実施のコツ
引用・参考文献
あとがき
索引