はじめての大気環境化学

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はじめての大気環境化学

  • 著者名:松本淳
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  • コロナ社(2021/05発売)
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  • ISBN:9784339066364

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内容説明

光化学オキシダントを中心に成層圏オゾン・気候変動・酸性雨・浮遊粒子状物質・室内空気汚染の話題も取り上げ,その歴史的経緯・発生メカニズム・分析・処理・考え方など化学の基礎をふまえながら例題や練習問題を交え平易に解説。

目次

第1章 環境と化学
1.1 環境
 1.1.1 「環境」の持つ曖昧さと多様性
 1.1.2 自然環境と科学と化学
 1.1.3 人間社会と環境
コラム:「環境」に関する情報の注意点
1.2 人間と環境問題
 1.2.1 地球と人類の歴史
 1.2.2 環境問題の規模,現象,分野
 1.2.3 環境問題の代表的パターン
 1.2.4 原因物質の種類
1.3 化学
 1.3.1 現代の化学
 1.3.2 物質の特性の例
1.4 元素と原子
 1.4.1 元素
 1.4.2 原子
 1.4.3 原子の質量と原子量
 1.4.4 アボガドロ定数と物質量「モル」
 1.4.5 元素の周期表
1.5 分子とモル質量
 1.5.1 分子と分子式
 1.5.2 分子量とモル質量
1.6 環境化学における「数値」の重要性
 1.6.1 定性と定量
 1.6.2 環境は「定量」が必要
 1.6.3 環境に関する量とリスク

第2章 大気環境化学の基礎
2.1 「大気」とは
2.2 大気の状態を表す基礎的な量
 2.2.1 気体とは
 2.2.2 圧力・気圧
 2.2.3 気温
 2.2.4 気体の占める体積
 2.2.5 気体の物質量
2.3 気体の状態方程式
 2.3.1 ボイルの法則
 2.3.2 シャルルの法則
 2.3.3 ボイル=シャルルの法則
 2.3.4 理想気体の状態方程式
 2.3.5 気体定数R
 2.3.6 質量との関係
 2.3.7 理想気体と実在気体
2.4 気体成分の量の表し方
 2.4.1 全圧と分圧
 2.4.2 体積混合比
 2.4.3 数密度
 2.4.4 量の換算
 2.4.5 重量密度
 2.4.6 水蒸気の量
 2.4.7 蒸発と蒸気圧曲線
2.5 典型的な大気の構造と組成
 2.5.1 地球の大きさと大気の厚さ
 2.5.2 典型的な気温・気圧の高度分布
 2.5.3 地球大気の組成
2.6 大気微量成分の重要性
2.7 大気微量成分の挙動
 2.7.1 発生源
 2.7.2 輸送と拡散
 2.7.3 反応と二次生成
 2.7.4 沈着
 2.7.5 数式化
2.8 大気成分の発生源と消失先と収支
 2.8.1 人為起源と自然起源
 2.8.2 窒素N2
 2.8.3 酸素O2
 2.8.4 窒素酸化物NOx
2.9 気体分子の反応
 2.9.1 反応速度式と数密度
 2.9.2 一次反応
 2.9.3 一次反応の時定数
 2.9.4 二体反応(二次反応)の補足
 2.9.5 擬一次反応
 2.9.6 大気寿命
 2.9.7 三体反応
 2.9.8 数値計算
 2.9.9 定常状態
 2.9.10 反応に関する基礎事項の補足

第3章 光化学オキシダント問題
3.1 大気汚染の歴史
 3.1.1 明治期の煙害
 3.1.2 ロンドン型スモッグ
 3.1.3 ロサンゼルス型スモッグ(光化学スモッグ)
 3.1.4 日本での光化学スモッグ
 3.1.5 光化学オキシダントと酸化還元
 3.1.6 燃焼に伴う汚染物質の放出
 3.1.7 その他の大気汚染
3.2 オゾンとは
3.3 大気光化学反応
 3.3.1 大気化学反応と微量成分
 3.3.2 分子の光解離とラジカル生成
 3.3.3 「光」に関する補足
3.4 大気ラジカルと連鎖反応
 3.4.1 大気ラジカルとは
 3.4.2 大気ラジカルの生成・消失と存在量
 3.4.3 OHラジカルと大気寿命
 3.4.4 連鎖反応とは
3.5 対流圏オゾン生成のメカニズム
 3.5.1 概略
 3.5.2 前駆体の放出
 3.5.3 VOCとOHの反応によるRO2生成
 3.5.4 RO2とNOの反応
 3.5.5 NO2の光解離
 3.5.6 オゾン生成メカニズムの要約
 3.5.7 オゾンの生成・消失の数式化
 3.5.8 オゾン生成効率の支配要因
 3.5.9 NOx,VOCとオゾン生成レジーム
 3.5.10 メタンのオゾン生成メカニズム
 3.5.11 COのオゾン生成メカニズム
 3.5.12 非メタン炭化水素NMHC
 3.5.13 地球規模での対流圏オゾンの収支
 3.5.14 オゾンの日変化の例
3.6 光化学オキシダント対策
 3.6.1 国内のオキシダント対策
 3.6.2 オゾン生成効率を考慮したVOCの把握
3.7 最近の状況
 3.7.1 国内の近況
 3.7.2 近年のオキシダント増加に関連して
 3.7.3 「減らないオキシダント」の解決のために
 3.7.4 オゾン通年観測の例
3.8 光化学オキシダントのまとめ
3.9 略語・用語
コラム:NOx反応系の復習と補足

第4章 大気とその周辺の環境問題の概略
4.1 成層圏オゾンの減少
 4.1.1 鉛直分布
 4.1.2 対流圏との状況の違い
 4.1.3 反応メカニズム
 4.1.4 オゾン全量とドブソンユニット
 4.1.5 南極オゾンホール
 4.1.6 CFCs
 4.1.7 成層圏オゾン減少の対策
 4.1.8 成層圏オゾンのまとめ
4.2 温室効果と気候変動
 4.2.1 黒体放射
 4.2.2 放射平衡
 4.2.3 赤外吸収と温室効果
 4.2.4 地球温暖化問題と人間活動
 4.2.5 地球温暖化ポテンシャルGWP
 4.2.6 IPCC報告書
 4.2.7 対策と将来予測
 4.2.8 環境問題を複数の視点から考える
4.3 浮遊粒子状物質
 4.3.1 基礎的な特性
 4.3.2 浮遊粒子状物質の生成
 4.3.3 PM2.5の問題
 4.3.4 環境との関わり
4.4 室内空気の汚染
 4.4.1 室内空気汚染の例
 4.4.2 シックハウス症候群
 4.4.3 室内空気汚染対策の考え方
4.5 酸性雨と水質
 4.5.1 水圏環境と水質
 4.5.2 酸性雨とは
 4.5.3 広義の酸性雨
 4.5.4 酸性雨の被害と監視
コラム:受動喫煙と分煙

第5章 大気環境化学への理解を深める
5.1 大気環境化学の研究
5.2 大気環境の計測
 5.2.1 大気観測の種類
 5.2.2 大気観測の特徴
 5.2.3 大気観測の考え方
 5.2.4 分析とは
 5.2.5 分析機器の校正
 5.2.6 測定の時間分解能
 5.2.7 定量的なデータとの接し方
 5.2.8 大気観測の準備と実施
5.3 曝露量とリスク
 5.3.1 環境問題における有害物質への曝露のリスク
 5.3.2 曝露量
 5.3.3 有害物質の危険性
 5.3.4 有害物質のリスクに関する補足
5.4 大気汚染への対応
 5.4.1 環境基準と排出規制
 5.4.2 除去・浄化のための技術の例
5.5 補足とまとめ
 5.5.1 環境負荷とは
 5.5.2 安全と安心
 5.5.3 さいごに

付録
A.1 物理量と単位
A.2 SI単位系と単位換算
A.3 有 効 数 字
A.4 数学の補足
A.5 二体反応の反応速度定数
A.6 数値計算(2.9節の練習問題の解答例)
A.7 元素の周期表
A.8 大気環境関連の基礎データの例
A.9 後方流跡線解析による気塊起源の推定
A.10 ひとこと~報告書や記事を書くときは~

引用・参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちぃ。

8
反応速度論が重要な内容。反応速度論のうち解析的に解くのが難しい二体反応について数値解析といった考え方を提供する。2023/01/11

ちぃ。

8
対流圏オゾンと成層圏オゾンの問題はそのメカニズムが大きく異なることを認識いたしました。2022/10/05

ちぃ。

1
大気光化学によるラジカルの生成とラジカル連鎖反応が面白いですね。2021/01/29

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