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内容説明
国際性に富み芸術性や職人性を特徴とする陶磁器産業をモデルに、伝統産業・地場産業がもつ多様な側面や可能性を現代産業論の広く深い文脈のなかで捉えなおす。地域再生の産業戦略をいかに構想するか?伝統・衰退産業の再生は可能か?ラスキン、モリス、マンフォード、柳宗悦などの古典に立ち戻り、従来の産業研究で見落とされていた「型」理論をふまえて、技術と芸術の融合及び産業融合の視点から統括。10年に及ぶ現場調査をもとに、鉄鋼産業研究者が挑む本格的現代産業論。
目次
はしがき
序章 伝統と創造のダイナミズム
1 本書の趣旨
2 本書の構成とねらい
第1章 「型」の技術・文化と現代産業論の視点
1 はじめに
2 伝統を創造的に生かす「型」文化
3 モノづくりと「型」産業
4 「装飾芸術」産業としての瀬戸ノベルティ論
5 伝統産業のハイテク化と熟練技能伝承
6 伝統技術の継承と創造的進化:
甲冑師・明珍家のイノベーション
7 現代産業論の視点
8 おわりに
第2章 瀬戸ノベルティの技術・文化と国際磁器交流
──パイオニア・丸山陶器の経営・技術・文化の沿革と
その評価視点──
1 はじめに
2 丸山陶器の経営・技術の沿革
3 瀬戸ノベルティ・丸山陶器の人形とその歴史的・国際的評価
4 おわりに
第3章 ノベルティの生産工程と職人文化
──丸山陶器の技術・技能と職場事情を中心にして──
1 はじめに
2 ノベルティの生産工程とその特徴
3 原型師の技術・技能と職場事情
4 絵付職人の技術・技能と職場事情の変遷
5 陶磁器原料調合と焼成管理の技術および職場事情
6 おわりに
第4章 自社ブランドづくりへの創造的挑戦
―─世界一の鳥ノベルティをめざした大東三進の
経営・技術・文化─―
1 はじめに
2 DAITOの経営革新とその沿革
3 大東三進ノベルティ部門の仕事ぶりと職場事情
4 ノベルティ部門の生産革新と海外戦略
5 大東三進ノベリティ工場の今昔
6 「ノベルティ・こども創造館」としての再出発
7 おわりに
第5章 セラミックス王国と名古屋的経営
1 はじめに
2 森村グループの経営理念と「名古屋的経営」
3 名古屋圏の産業構造とその発展の系譜
4 近代セラミックス産業を主導する経営と技術
5 おわりに
第6章 近代化産業遺産と文化的まちづくり
──製陶所から生まれた「芸術家横丁」と
ポーリセンミュージアム──
1 はじめに
2 近代化産業遺産とまちづくり
3 愛知製陶所の沿革と工場レイアウト
4 愛知製陶所の職場風景と職人像
5 製陶所が育んだ愛知ポーセリンミュージアム
6 瀬戸の芸術・憩い空間 「芸術家横丁」の誕生
7 おわりに
第7章 瀬戸の巨匠・北川民次と近代化産業遺産
──地域再生に向けた北川芸術の再評価と
保存・活用の創意的試み──
1 はじめに
2 児童美術教育の壮大な実験と人間・社会変革の眼差し
3 北川民次の芸術に見る思想と哲学
4 近代瀬戸の原風景を活写する北川民次
5 壁画に込めた北川民次の夢と思想
6 「北川民次の文化遺産」を地域づくりに活かす運動
7 北川芸術を地域づくりに活かす企業の文化支援活動
8 おわりに
終章 技術と芸術の創造的融合
──「型」と「場」のクリエイティブ・ダイナミズム──
1 はじめに
2 「型」を超える革新と創造の喜び:
小さな金型メーカーの挑戦
3 労働の喜びと創造性
4 職人的な技と「場」の創造性
ほか