内容説明
この100年の間にすっかり定着したかに見えていた結婚という制度が、今ゆらぎはじめている。離婚・非婚がふえ、なしくずしシングルも増加傾向をたどっている。結婚という制度は、これからどうなっていくのだろうか。各国の結婚事情を詳しく紹介し、結婚の多彩なかたちと意味をトータルに考える。たとえば、アメリカでは96%の人が結婚を望み、90%が結婚する。そのうち半分が離婚するものの、75%は再婚するというデー夕がある。離婚がふえても結婚への執着は減らず、結婚に捨てがたい意味を求めているようだ。中国、韓国、イギリス等の現状も示す。
目次
はじめに
I 統計
第一章 統計に見る結婚・離婚・非婚――六ヵ国(仏・英・米・日・韓・中)比較[杉山明子]
1 結婚
2 離婚
3 非婚
4 家族・子ども
5 家族の変容
II 体制と結婚
第二章 アメリカにおける結婚――結婚はなぜ重大なのか[小檜山ルイ]
1 ピューリタニズムと聖家族
2 共和制下の秩序と結婚
3 資本主義と愛
第三章 中国の社会主義制度における婚姻――体制と個人の決断[聶莉莉]
1 人民公社時代における婚姻
2 「単位」社会における婚姻
3 国家と個人のバランス
第四章 韓国における結婚――家父長制社会に生きる[矢野百合子]
1 伝統社会の家族構造
2 伝統社会における女性の地位
3 現代韓国の家族と結婚
4 法制度・慣習との闘い
5 北朝鮮における結婚
6 個を基礎とする社会へ
III 文学に見る結婚
第五章 国家と結婚――一九二〇年代のアメリカ小説にみる[佐藤宏子]
1 結婚という制度
2 愛という妙薬
3 分裂した結末
4 古い制度の再評価
5 国家の衰退と結婚
6 一つのモデルとして
第六章 フランス文学にあらわれた結婚[大島眞木]
1 フランス文学にあらわれた結婚の条件
2 結婚以後
3 歴史的にみたフランスの結婚
IV 結婚への問い
第七章 非婚の理由――百年前のイギリス、そして日本[北條文緒]
1 ウェディング・ベルが鳴りわたる
2 「新しい女」は非婚を選ぶ
3 日本の不婚思想は恨みつらみに始まる
第八章 脱家父長制的結婚モデルを求めて――現代日本社会の情報砂漠を超えるために[加藤春恵子]
1 パラサイト・シングルの「自由」
2 「男女平等」の下の家父長制社会
3 「嫁取婚モデル」からの離陸
4 高群逸枝「招婿婚モデル」
5 ボーヴォワールと「自立婚モデル」
6 『女・エロス』と「事実婚(無届婚)モデル」
7 情報砂漠を超えて
謝辞――あとがきにかえて
索引
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