功利主義は生き残るか - 経済倫理学の構築に向けて

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功利主義は生き残るか - 経済倫理学の構築に向けて

  • 著者名:松嶋敦茂
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  • 勁草書房(2021/05発売)
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  • ISBN:9784326153824

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内容説明

経済と倫理の円滑なフィードバック関係までを考慮に入れうる「公共哲学としての社会科学」はありうるか。ミル、エッジワース、ヴィクセルらの諸説を再検討し、自由至上主義や契約主義と功利主義との現代の論争を、ハイエク、ゴティエ、スキャンロンらを軸に経済思想史的に分析する。

目次

凡例

序 章 功利主義は経済倫理学の原理となりうるか?
 1 経済学と倫理学の間
 2 功利主義とは何か
 3 ロールズの批判は乗り越えられるか?
 4 本書の目指すもの

第I部 経済思想の中の功利主義──ミル、エッジワース、ヴィクセル

第1章 「極大満足説」と功利主義の間――ゴッセン、ワルラス、エッジワース
 1 自由至上主義としての「極大満足説」
 2 二種の極大満足説
 3 エッジワースによる極大満足説の批判
 4 功利主義と自利の追求

第2章 ベンサム主義的功利主義と自由主義的功利主義――功利主義と課税原則の結合関係
 1 二種の課税原則論とその根底にあるもの
 2 ミルにおける市場と国家
 3 課税論のパラダイム的転換
 4 国家のリヴァイアサン化に抗して
 5 功利主義と現代福祉国家

第3章 効用の個人間比較の可能性――肯定論と否定論を分つもの
 1 三つの類型
 2 対立の基本的構図
 3 複眼的思考
 4 経済学と社会学
 5 経済学と価値判断
 6 独我論と没個体化を超えて

第II部 競合的パラダイムの構図――自由至上主義、功利主義、社会契約主義

第4章 自由主義はどのように基礎づけられるか?――ワルラスの夢想とハイエクのディレンマ
 1 「科学的決定論」としてのワルラス理論
 2 無知の自覚と自由の擁護
 3 文化的進化と自生的秩序
 4 「一般的ルール」の改良と進化
 5 ハイエク自由論の射程

第5章 合理性は道徳性をもたらすか?――『合意による道徳』の批判的検討
 1 ホッブズ的方法は継承しうるか
 2 「合意による道徳」の論理構造
 3 市場と道徳性──ルールの遵守を保障するものは何か
 4 アルキメデスの点──ロールズとゴティエ
 5 社会契約論の意義と限界

第6章 人間中心主義は乗り越えられるか――シンガーとスキャンロン
 1 種差別主義を超えて──P・シンガーの倫理思想
 2 シンガーに残された問題
 3 競合的パラダイム──T・M・スキャンロンの社会契約理論
 4 公共的意思決定の競合的原理──功利主義と社会契約論

終 章 一般的ルール論の展開――経済倫理学の構築に向けて
 1 経済・倫理・一般的ルールの相互関係
 2 一般的ルールの性質と起源
 3 ルール改良の原理
 4 ルール論から体制論へ

あとがき
参考文献
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

8
「ハイエクは「一般的なルール」が①抽象的、②一般的、③すべての人に均しく適用される(普遍的)性質をもつべきことを再三主張している。そのために人々は、実際には知っている事柄についても、それが正義に関する一般的ルールの内容と直接にかかわりがない限りは、「あたかも無知であるかのごとくに」想定されねばならない。これがルールの抽象性、一般性、普遍性を保証するからである。ロールズの「公正としての正義」に通じておられる方なら、この議論がロールズの「無知のヴェール」の議論と同工異曲のものであることに気づかれたであろう」2021/05/22

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