イギリスとヨーロッパ - 孤立と統合の二百年

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イギリスとヨーロッパ - 孤立と統合の二百年

  • 著者名:細谷雄一
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  • 勁草書房(2021/05発売)
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  • ISBN:9784326351442

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内容説明

本書は、1815年のウィーン会議から現在までのイギリスとヨーロッパとの国際関係を、高い研究水準を保ちながら概観する歴史読み物である。自分を「ヨーロッパ人」とは考えていないイギリスのアイデンティティーが「孤立」と「統合」のあいだを揺れ動くさまを、ダイナミックに描ききる。

目次

はしがき[細谷雄一]

序章 歴史のなかのイギリスとヨーロッパ[細谷雄一]

第1章 ヨーロッパ協調から世界大戦へ 一八一五─ 一九一四年──「不実の白い島」の呪縛──[君塚直隆]
 1 「長い十八世紀」の終焉と大国イギリスの登場
 2 ウィーン体制下のイギリス外交
 3 パーマストンと会議外交の時代
 4 ビスマルク体制と「光栄ある孤立」
 5 「街から灯が消えていく」──世界大戦への道

第2章 「新しいヨーロッパ協調」からシューマン・プランへ 一九一九─五〇年──世界戦争の時代のイギリスとヨーロッパ──[細谷雄一]
 1 戦後ヨーロッパ秩序とイギリス
 2 ロカルノ会議からミュンヘン会談へ
 3 第二次世界大戦と「西欧ブロック」構想
 4 英仏協調の終焉?──シューマン・プランへいたる英仏関係

第3章 超国家的統合の登場 一九五〇─五八年──イギリスは船に乗り遅れたのか?──[益田実]
 1 「失われた機会」を求めて
 2 超国家的統合プラン登場前夜
 3 反発から協力への苦渋の選択──アトリー政権と二つの統合プラン
 4 統合の限界と協力関係の限界──チャーチル政権と二つの統合プラン
 5 「ヨーロッパの再発進」──共同市場構想の船出
 6 プランG──FTA構想による対抗とその挫折
 7 あらかじめ失われていた機会?

第4章 第一次EEC加盟申請とその挫折 一九五八─六四年──「三つのサークル」ドクトリンの段階的再編──[小川浩之]
 1 ヨーロッパFTAからEFTAへ
 2 第一次EEC加盟申請への道
 3 第一次EEC加盟交渉とその挫折

第5章 第二次EEC加盟申請とその挫折 一九六四─七〇年──イギリスの緩やかな方向転換──[芝崎祐典]
 1 経済的困難と役割の模索
 2 緩やかな方向転換──二回目のEEC加盟申請
 3 挫折

第6章 米欧間での揺らぎ 一九七〇─七九年──ヨーロッパになりきれないイギリス──[橋口豊]
 1 「新たなパワー・ベース」としての統合ヨーロッパ
 2 大西洋同盟内の主導権をめぐる対立
 3 EC残留とデタントの後退

第7章 冷戦とデタントのなかで──CSCEへの道とイギリスの役割意識 一九五一─七九年──[齋藤嘉臣]
 1 サミットの夢とチャーチル、イーデン、マクミラン
 2 ウィルソン政権のデタント政策
 3 ヒース政権とCSCE

第8章 サッチャーとドロール 一九七九─九〇年──劇場化されるヨーロッパ──[遠藤乾]
 1 「ヨーロッパの政党」──野党時代の親欧州的スタンス
 2 「お金を返して」──フォンテーヌブローへの道
 3 「自由なヨーロッパ」──市場統合、単一議定書、ドロール・パッケージ
 4 「社会は存在しない」──サッチャーとドロールの世界観の衝突
 5 「氷は解ける時が危ない」──冷戦終結とドイツ統一
 6 「ノー、ノー、ノー」──通貨統合、政府間会議、孤立と凋落

第9章 メージャーとマーストリヒト条約 一九九〇─九七年──調整型リーダーシップの功罪──[力久昌幸]
 1 メージャーのリーダーシップ
 2 マーストリヒト条約交渉過程
 3 ERM離脱とマーストリヒト条約批准過程
 4 党内対立の激化と保守党支配の終焉

第10章 ブレアとヨーロッパ 一九九七─二〇〇七年──「お節介なネオコン性」──[鈴木一人]
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バルジ

2
イギリスとヨーロッパの関係を近現代を中心に10名の研究者が時系列的に論じる。第二次大戦後に大国から中級国家としてサイズダウンを余儀なくされたイギリスヨーロッパ、ひいてはアメリカとの関係性を模索する。チャーチルはアメリカ・ヨーロッパ・英連邦を柱とする「3つのサークル」を提唱するがその後のイギリス外交は自身の立ち位置を定められず漂流。EC加盟後は「鉄の女」サッチャーと欧州委員長ドロールの根本的な世界観の相違による衝突は保守党内での欧州懐疑派の台頭を見ることになる。ブレグジッドで揺れる今だからこそ読むべき一冊。2020/04/05

taming_sfc

1
イギリスとヨーロッパとの関係を時系列的に、第一人者が執筆するという贅沢な一冊。10年経っても色褪せない筆致。Brexit大詰めのいまこそ、イギリスとヨーロッパが紡いできた歴史を再確認すべきだろう。2019/10/30

Fumihide Miyashita

0
なんとなくBrexitの訳がわかったような2016/08/30

もとせ

0
87頁引用【昼食をとったあとおもむろにナプキンをとりだしたチャーチルは、そこに鉛筆で3つサークルを描いた。それぞれ、帝国=コモンウェルス、英米関係、そしてヨーロッパという3つを指し示していた。この3つのサークルの重なり合う中心に立つのがイギリスであり、その3つとの関係を維持するのがイギリス外交の要諦だとチャーチルは語った。「なぁ、若者よ。イギリスをこの3つのどのサークルからも、外に出してはいけない。」】2011/05/08

メルセ・ひすい

0
説明不足 文??? かつて世界の海を支配しつつも衰亡の道を辿った老大国は、ヨーロッパといかに向き合ってきたのか。ウィーン会議から現在までのイギリスとヨーロッパの国際関係を、概観した歴史読み物。 2009/04/08

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