宗教の見方 - 人はなぜ信じるのか

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宗教の見方 - 人はなぜ信じるのか

  • 著者名:宇都宮輝夫
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 勁草書房(2021/05発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326102204

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内容説明

時代や社会をこえ、広く人々の生活に受け入れられている宗教。永続性や普遍性を持ち、人間にとって欠かすことのできない重要な営みとなっているのはなぜか。諸宗教の儀式や教義を一つひとつ取り上げることはあえてせず、その本質を見据えながら宗教学という広大なフィールドを歩く。宗教に初めて触れる大学生のための概論書・入門書。

目次

まえがき

第1章 はじめに:宗教の普遍性
 1.1 どの時代,どの社会にも宗教は存在する?
 1.2 啓蒙主義の見通し――世俗化へ向かう歴史法則
 1.3 現代の宗教状況

第2章 宗教とは何か:常識を疑い,吟味する
 2.1 宗教は神崇拝ではない
 2.2 宗教は超自然の観念で定義できない
 2.3 宗教は死生観ではないし,死後存在・死後世界についての教説でもない
 2.4 宗教は究極的関心事ではない
 2.5 聖俗の二分法

第3章 宗教概念批判とその吟味
 3.1 宗教概念の偏頗性
 3.2 宗教という語あるいは宗教概念
 3.3 研究は不可避的に本質探求になる
 3.4 家族的類似性

第4章 宗教と非宗教の境界
 4.1 ファシズム,共産主義などの政治上の主義
 4.2 フランス革命祭典,アメリカの市民宗教,世俗的ナショナリズムなど
 4.3 祭り
 4.4 宗教性の薄れた慣習
 4.5 社会的道徳運動・啓蒙運動・修養団体その他

第5章 信じるとはどういうことか
 5.1 信者・信仰の標識
 5.2 信仰の度合い
 5.3 愚か者が宗教を信じるのか
 5.4 宗教を信じる人は非合理的なのか,あるいは人間はそもそも合理的か
 5.5 合理性とは何か
 5.6 信は知に先行し,知は信に基づく
 5.7 認識することと肯定・賛美すること

第6章 宗教の構成要素
 6.1 信念
 6.2 儀礼
 6.3 教団
 6.4 聖職者
 6.5 生活
 6.6 体験

第7章 宗教の機能
 7.1 機能的アプローチ
 7.2 救済約束と救済願望
 7.3 宗教と生活状況との相関
 7.4 意味づけの機能
 7.5 政治的・社会的機能

第8章 宗教の諸理論
 8.1 なぜ人は容易に信念を捨てないのか:フェスティンガー
 8.2 信じることで何をしているのか:ウィトゲンシュタイン
 8.3 人間は真理に基づく自己肯定を求める:カール・バルト
 8.4 社会には世界観があり,それが宗教へと結晶化する:トーマス・ルックマン
 8.5 ホモ・レリギオーススの宗教学:ミルチャ・エリアーデ
 8.6 社会は宗教現象である:エミール・デュルケム

参考文献一覧
人名索引
事項索引
コラム
コラム1:彼岸的救済と現世利益
コラム2:文化の総体としてのヒンドゥー教
コラム3:インターネットと宗教
コラム4:宗教による徹底した生活規制
コラム5:よく知られた神秘的宗教体験
コラム6:生と世界の意味を見失って
コラム7:日本の敗戦を信じなかった人々
コラム8:本当に先祖をおんぶするのか


著者略歴
宇都宮輝夫(うつのみや てるお)
1950年生まれ。1976年北海道大学大学院博士課程宗教学中退。文学修士。室蘭工業大学助教授,北海道大学助教授を経て,1995年より北海道大学文学部教授。専門は宗教社会学,死生学。
著書に『生と死の宗教社会学』(1989,しののめ出版),『ケア従事者のための死生学』(共著,2010,ヌーヴェルヒロカワ)ほか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ソーシャ

2
元は医療従事者向けの講義をきっかけに生まれた宗教学の入門書。入門書ですが「宗教とはどのようなものか」を中心に内容の濃い議論が展開されていて、結構読むのに時間がかかる本です。学説に対する批判がピリリと効いているのも面白かったですね。2015/05/02

ELAT

0
宗教学入門書。まず宗教に関する思い込みや誤解を解き、その後、宗教の妥当性の高い定義、宗教の属性、機能、人はなぜ信じるのかということなどを論じ、最後の章では数人の学者の論をまとめている。筆者はエミール・デュルケムの影響を比較的強く受けているようである。やや屁理屈っぽいと感じる箇所もあったが、全体的に見ると諸宗教を含む具体例が多く挙げられているため分かり易く、また幅広い事柄に関し論理的に展開されているので説得力がある。かなり良い入門書ではないか。2014/10/02

いまにえる

0
宗教学の入門書で言葉は平易だが理解するのは結構難しい。宗教の定義の問題からなぜ今尚信じられているかなど根本の問題にぶち当たっている。「現代は神なき時代ではあるが、無宗教とは正反対の時代である。」がエッセンスなのかなと個人的に思った。人間誰しも、普段宗教とはこうである、と考えている性質を持っているからこそ宗教は存在し続ける。人間がある限り宗教は存在し続けるのだろう。アイドルなどの説明にも有効だと思う。2018/01/17

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