内容説明
「美」とは何か、哲学、文化人類学、美術、舞踏、メディア論、健康・運動科学など様々な視点から多角的に考察する。古今東西の美の変遷を辿れば、美の基準は時代や地域により大きく異なる。21世紀のきれいは、それぞれの人が、その人らしく自由な生存の選択や表現ができるような社会や文化のあり方のなかに求められると結論付ける。
目次
はしがき[鳥越成代]
第一章 「美」・「きれい」・「うつくしい」――言葉の面からのアプローチ[久保光志]
1 「きれい」と「うつくし」
2 「美」と「美しさ」
3 「美」の観念の由来
4 美と善
5 「美」と「優美」
第二章 美女たちの物語――何が彼女を美女にしたか[矢野百合子]
1 西洋の美女
2 東洋の美女
3 美しさとは何だったのか
第三章 美女とは誰がどのように決めるのか[渡辺みえこ]
1 失われたものの再生
2 美の表象
3 暴力としての女性美
4 再びきれいとは
第四章 東洋の美 西洋の美――舞踊の比較文化[佐々木涼子]
1 舞踊の美
2 舞踊の地理的比較
3 舞踊の歴史的変容
第五章 美人とミス・コンテストをめぐる考察[小玉美意子]
1 美しいことと、品定めをすること
2 「美しさ」の変遷――時代によって変わる美の基準
3 明治以降のミス・コンテスト
4 メディアが創る現代の美女
5 男女ともに自然体で生きられる社会に
第六章 美と痩身[鳥越成代]
1 ダイエット・シンドローム
2 ウエイト・コントロール
3 痩身でなくてもきれいな姿
あとがき[矢澤澄子]
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
20
女性の美に関する横断的な研究書。歴史学や古典文学からジェンダーを紐解くと意外な発見があり面白い。例えば、中国には傾国の美女という形容があるが日本にはないという。その一例が淀君だ。淀君は豊臣秀吉の政策に影響を及ぼして、秀吉亡き後は秀頼の後見人として徳川家康に対し徹底抗戦した。その戦闘的な姿勢こそ傾国の美女と謳われても良さそうなのだが、日本では戦う女性を美しいと評価する歴史文化的な土壌がないという。他にもメドゥーサに睨まれると石化するという話は、経血に対する畏怖の感情に根ざしているという説明が興味深い。2023/01/19
みかん
0
美の基準が画一化されて世界中の舞踊が一様になる未来だけは見たくない。エロティシズムを感じるから隠す→隠さず出した部分が綺麗になる→隠さなかった部分の方が性的魅力を増す? よく分からないな(四章の話)2016/04/29




