福祉社会の行方とジェンダー

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福祉社会の行方とジェンダー

  • 著者名:杉本貴代栄
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 勁草書房(2021/05発売)
  • ポイント 30pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326602452

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内容説明

高齢化社会・社会福祉基礎構造改革が進むなかで「女性が抱える困難」は益々高まっている。その一方で、近年進行した日本型企業社会の変容は、女性のみならず、男性労働者にも非正規労働を蔓延させつつあり、「格差」の問題は、男女が共通で担う問題になった。本書は「ジェンダー化」の視点から、現状を分析する共に今後の方途を示す。

目次

はしがき

第I部 社会福祉政策から考える

第1章 社会福祉とフェミニズム思想
 1.女性解放運動とフェミニズム
 2.社会福祉とフェミニズムの共通点
 3.フェミニズムが明らかにしたこと
 4.フェミニズムが社会福祉研究に与えた影響:福祉国家論をめぐって
 5.日本における今後の課題

第2章 高齢社会とケア労働
 1.ジェンダー研究と高齢者問題
 2.ケア労働をめぐる動向
 3.ケア労働者の実態
 4.ケア労働が抱える課題

第3章 ソーシャルワーカーという仕事
 1.ソーシャルワーカーとはどういう仕事か?
 2.ソーシャルワーカーの専門職化の進展
 3.ソーシャルワーカーに求められること
 4.ソーシャルワーカーが直面する現代的課題

第4章 高齢社会と男女共同参画
 1.「女性化する福祉社会」の現状
 2.介護保険と介護労働者
 3.男女で担う高齢社会を実現する
 〈コラム1〉書評 吉川真美子著『ドメスティック・バイオレンスとジェンダー:適正手続きと被害者保護』
 〈コラム2〉書評 上野千鶴子著『ケアの社会学:当事者主権の福祉社会へ』


第II部 フェミニズムから考える

第5章 ジェンダー平等政策の10年をふり返って:1990年代から2000年代への「失われた10年」の検証
 1.問題の設定
 2.周辺から中心へ:男女共同参画社会基本法の成立
 3.男女平等への揺り戻し:バックラッシュの時代
 4.少子化対策の強化と欺瞞
 5.近い未来へ向けて

第6章 女性学の発祥と発展
 1.女性学の発祥
 2.アメリカにおける女性学の発展
 3.日本における女性学の発展
 4.女性学の将来と課題

第7章 今日の買売春と性の商品化
 1.女性の人権とセクシュアリティ
 2.売春防止法の成立と施行
 3.買売春と国際問題
 4.買売春をなくすために
 〈コラム3〉映画評 野村芳太郎監督『砂の器』〈ハンセン氏病をめぐる差別と排除の長い歴史〉
 〈コラム4〉書評 サラ・パレツキー著『沈黙の時代に書くということ:ポスト9・11を生きる作家の選択』


第III部 国際比較から考える

第8章 日本の福祉国家の特徴と課題:4ヵ国調査の比較から
 1.比較調査の概要
 2.各国の特徴
 3.調査の結果から
 4.日本の課題

第9章 アメリカにおける高齢女性と所得保障:年金を中心として
 1.概要と論点
 2.アメリカの社会保障の体系
 3.公的年金制度の成立と進展
 4.年金制度と受給者の現状
 5.年金におけるジェンダー課題

第10章 介護保険の日韓比較:共通するジェンダーの課題
 1.研究の目的
 2.介護保険実施の経過
 3.介護保険制度の内容
 4.介護保険の実態:瑞草(ソチョー)区立老人施設を例として
 5.直面する介護保険の課題
 6.韓国の制度から日本の課題を考察する
 〈コラム5〉映画評 『ミレニアム:ドラゴンタトゥーの女』〈映画に見る,福祉国家スウェーデンの現実〉
 〈コラム6〉映画評 『隠された日記:母たち,娘たち』〈女性解放運動がフランスにもたらしたもの〉
 〈コラム7〉映画評 『ウィンターズ・ボーン』〈映画が描く,アメリカの「島の貧困」〉

参考文献
索引
初出一覧




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ほか

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