講談社文庫<br> 室町抄

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講談社文庫
室町抄

  • 著者名:南條範夫【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2021/05発売)
  • 真夏も楽しく!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/11)
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  • ISBN:9784061849464

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内容説明

酒色に溺れ政治に無力な足利将軍と、奔放に御台政治を貫く日野富子を活写。義政夫人の威力に破れた男たちの声――何もしない文人将軍・足利義政に嫁いだ日野富子が、天性の資質で幕府を牛耳り、応仁の乱を切り抜けて、強大な御台政治を貫く面白さ。酒色に溺れ、滅んでいった、足利家の男たちの文化の素晴しさ。権勢の近くにうごめく武将たちの、凄絶な闘い。富子を中心に、刺激と活気にみちた室町時代を縦横に描く、傑作小説。一族の野望をになって足利家に送りこまれ、室町幕府に権勢をふるった日野富子の生涯。美しく、わがままで、強い女の魅力とその時代。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えびえび

3
日野富子について、関わった男たちが証言するといった構成の作品です。富子の兄勝光、息子善尚、夫善政、狂管領政元の告白が4編に綴られています。善政は兎も角、身内の揉め事は傍から見る分には楽しいものです。接点がほとんどなさそうな細川政元の1編が一番面白いですね。政元の奇行の真実とは何か。探偵モノの小説みたいな感じで読めると思います。2013/03/04

churu

2
日野富子と大きく関わる四人の男のモノローグによって、富子の人間像や応仁の乱前後の時代背景を浮かび上がらせる。有吉佐和子の『悪女について』あたりと似た構成だが、語られる対象の女性像が重層的かつだんだん不鮮明になってゆく有吉作と違って、こちらは富子像が多層照射で鮮明になってゆくのは面白い。モノローグ=全編ほぼ地の文だから夢中で読み耽ってもページはなかなか先に進まず、濃厚さに思わずため息が出る。電車の移動中に読むような本ではないが、この時代に興味があれば面白さは保証できる。時間を気にせず、腰を据えて読むべし。2021/03/05

Melody_Nelson

2
面白かった!こういう作品が埋もれているのは非常に残念。 日野富子の兄(実質は叔父だけど)、息子、夫、管領のモノローグなのだけど、とにかく富子の存在感に圧倒される。歴史的には「悪女」の分類に入っているけれど、かなり政治能力に長けていたのでは? なにしろ、彼女のギラギラ・ガツガツした感じが、夫である義政と対照的で、男女逆であれば良かったのに、と思ってしまう。 室町時代、知れば知るほど面白い。2013/11/09

よっくん

0
 室町時代の事は始めてだが、日野富子なる人物描写にただ仰天!こんな人おるかぁ?もしかしたらこういう類いの人いるしその走りか?って思ってみたり。「信じられない人」っているもんね…兄貴、旦那、息子、片想いの管領それぞれから見たありのままの富子。それはそれで良かった。えぇまたやり直しかよとっくに死んでるのに…というやり直しを設けてもらった方がストーリーはよく理解できた(笑)何しろお初室町なので…それぞれの富子に対する思いもよく分かった…つもりです。女性は怖いのかな((( ;゚Д゚)))2025/06/16

0
日本三大悪女の一人として名高い日野富子。家柄、容姿に恵まれ、ある意味頭もいい。人柄だって、当時の多くの人には悪女どころか明るく魅力的な人と思われていたのかも。しかし、自分の利害が絡んだら、理が通らなかろうが、道義的に許されなかろうが、強引に勝ちを持っていく女。彼女に関わる複数の男たちの独白でその姿が浮かあがる。特に彼女を正妻とした知性派将軍、足利義政が無力感に蝕まれていく様は痛々しい。室町時代好きにはお薦めの一冊。2021/07/02

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