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内容説明
・欧米の名門大学では、なぜ「古典的教養(リベラルアーツ)」が重視されるのか。
・なぜ、リベラルアーツが米国エリート教育の原点となったのか。
・プラトン、アリストテレスの思想・哲学を現代人が学ぶ意味とは何か。
グーグルやアマゾンも重視する「西洋的教養」の真髄を凝縮した意欲作。
目次
序 章 なぜ米国の一流大学はリベラルアーツを重視するのか
第1章 黎明期のギリシャ ~リベラルアーツの土壌はこうして生まれた
第2章 ヘロドトス『歴史』で知るヨーロッパの原点
第3章 トゥキュディデス『戦史』が描く衆愚のギリシャ
第4章 プラトン『国家』が掲げる理想主義
第5章 アリストテレス『ニコマコス倫理学』が掲げる実践主義
第6章 アリストテレス『政治学』が描く現実的国家論
第7章 ローマの繁栄から中世キリスト教支配の時代
第8章 「西洋」優位の時代の幕開け ~ルネサンスから近代まで
終 章 〝超大国〟アメリカで磨かれたリベラルアーツ
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
91
有名なコロンビア大学でのリベラルアーツ教育の概要を紹介した一冊である。タイトルに「ギリシャ・ローマ」とあるが、殆どの紙幅がギリシャに費やされているのは、「リベラルアーツの基本はヘレニズム哲学である」という主張が徹底しているからだろう。でも、アウグスティヌスを新プラトン主義で捉えたり、トマス・アクィナスの神学の根拠をアリストテレスに求めるというのは容認するとしても、キリスト教の絶対的な教義である復活や最後の審判まで、「国家」の「エルの物語」と結びつけてしまうというのは、少し牽強付会に過ぎると感じるのだが…。2021/07/06
まると
24
ここに書かれているのが教養だとしたら、私はそれをほとんど学ばずにきた人間なのだと痛感します。古代ギリシャで生まれた人類の英知がルネサンスで復興し、啓蒙思想につながるまでの壮大な流れをしっかりと認識したことはなかった。ただでさえ読まなければならないと思っている本が山積みなのに、それがさらに積み重なって茫然自失の状態です。まずは表紙のラファエロの絵画「アテナイの学堂」にも描かれているプラトン、アリストテレスから始めてみようか。全ての読破は無理だけど、少しずつでも読み進めたいと決意を新たにさせられる一冊でした。2021/07/02
きおくあたま
15
米国コロンビア大学で学ぶリベラルアーツの雰囲気の一端を知ることができたという意味では期待に沿うものであったが、この本からはリベラルアーツそのものを学びとることはできない。やはり一つひとつの古典を大学の厳しいプログラムの中で読み解こうとする努力を重ねてこそ、その域まで達するのであって、自分ももっと果敢に古典に挑戦してみようと思った。そういう意味で「あとがき」のリーディングリストは参考になる。2021/07/04
リットン
6
世界史の序盤であるギリシャの歴史を詳しめに書いているのは読み物として面白い。この頃の哲学者の人間に関する言葉を読むと、洞察の深さを感じるとともに、2500年経って技術や文化は発展しても人間の本質は大きくは変わらないのかもなと感じた。あと、アメリカのリベラルアーツ教育の素晴らしさはわかったが、この本の歴史を追いかける内容は、日本の高校世界史を詳しくしている程度と大差ないのでは。。と感じてしまった(一冊の本でリベラルアーツとはなんぞやを〜というのは無理なのだろう)。2021/08/01
コトラー
5
米コロンビア大学で行われているリベラルアーツ課程を概観。トゥキュディデス『戦史』、プラトン『国歌』などを引用しつつ、ギリシャからローマ、中世キリスト教支配の時代、ルネサンスへと歴史をたどる。節が短く、気持ちよく読めた。物足りなさは感じたが、わかりやすさを優先したのだろう。2022/03/21