原発事故は終わっていない

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原発事故は終わっていない

  • 著者名:小出裕章
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 毎日新聞出版(2021/04発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620326306

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内容説明

福島原発事故から10年。

原子力の場にいた人間として、
私には原発をやめさせることが
できなかった重い責任があります。
もちろん、原子力を進めてきた
国と電力会社には猛烈に
重い責任があります。
同時に、日本人一人ひとりにも
責任があると私は思っています。

原子力廃絶を訴え続けて半世紀、
反骨の科学者、渾身の書き下ろし。

2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原発事故は、
10年経過した今も収束できず、被災者の苦難は依然として続いている。
一方、加害者である東京電力と日本政府は、
「原発事故の反省と教訓を風化させることなく、
福島への責任を果たしていく」と発言しながらも、原発を推し進めている。
本書では、福島第一原子力発電所の現状、
見逃してはならない原発にまつわる諸問題
(世界に逆行する日本の原発輸出政策/汚染水の海洋放出問題/
原子力産業の現在/原発マネーに群がる人たち/
放射性廃棄物、処分場誘致の動き〈北海道寿都町・北海道神恵内村〉/
原発再稼働をめぐる立地自治体の葛藤
〈東日本大震災で被災した東北電力女川原発の再稼働・
40年超の関西電力高浜原発、再稼働手続き開始〉)など、
著者だからこそ知り得た稀有な情報を取り上げ、解説する。
原発事故の風化に警鐘を鳴らし、原発の危険性を説き、
原発ゼロ社会実現への思念を綴った究極の反原発論。

目次

■第1章 福島第一原子力発電所で何が起きたのか
――事故発生から現在までの10年を振り返る
■第2章 私たちが生きている間に原発事故は収束しない
■第3章 見棄てられた日本国民
――政府は決して真実を教えない
■第4章 それでもまだ原発を続けるのですか?
■第5章 いわれのない犠牲を他者に強いない生き方

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

読特

31
後世に借金を残すな!・・いや、それは借金ではない。本当の負の資産である放射性廃棄物で騒がれることはない。現在は緊急事態宣言下。新型コロナではなく、原子力のだが。燃料デプリは取り出せない。廃炉に目途が立たない。帰還できない人がいる一方で、東京五輪に人物金がシフトする。根拠薄弱なCo2温暖化説。原子力はクリーンではない。資源高騰、ウクライナ危機。再稼働支持が増えている。・・311から11年経つ今の現実。すぐに忘れる、簡単に誘導される。彼の国のことを嗤えるのか?騙されたあなたにも責任がある!・・そして私にも。2022/05/17

ロビン

26
長く京都大学原子炉実験所で助教をつとめられ、福島原発事故前から原発の危険性を訴えて戦ってこられた小出裕章さんの最新刊。そもそも原発の出す核のゴミの処理は非常に困難で、未来の世代に多大な負担を強いてしまうこと、燃料デブリの取り出しがこのままでは100年経っても不可能なこと、汚染土再利用や汚染水の海洋放出の愚、原発誘致をめぐる自治体と電力会社の癒着問題、原子力発電がハイコストにも関わらず国が原発をやめないのは潜在的な核製造能力を保持したいからであることなど、気になる問題が網羅されている。ぜひ一読を。2021/03/03

風に吹かれて

19
3.11前後にあれほど放送されていた震災関連番組はテレビから消えた。被災地の人々の困難が伝えられたと思う。その一方で、原発を使い続けていいのかということを科学的に問う番組はあったのだろうか、と思う(私が見落としたものもあるに違いないが……)。  人間の科学も自然界も放射能を無化(半減期というものがあるが、無化されるのは人間の尺度からすれば無限ともいえる先のこと)できない。人間に甚大な害を及ぼす放射能汚染物を生む原発はやめなければならないと小出氏は主張する。➡2021/03/29

coolflat

15
50頁。六ヶ所再処理工場では年間8000トンの使用済み核燃料を処理する計画だが、もし福島第一原発のトリチウムを含む処理水をタンクに貯蔵し続けることになれば、六ヶ所村での海洋放出もできなくなってしまい、再処理工場の稼働自体ができなくなる。だから政府、原子力規制委員会、東電は口が裂けても「タンクに貯蔵し続ける」とは言えない。今、福島第一原発で問題になっている200トン分の燃料に入っているトリチウムなど、彼らから見れば大した量ではない。もしそれが問題だといえば六ヶ所再処理工場は稼働させられないことになってしまう2023/10/08

あべし

10
 皆さん。来たる3.11の前にこの本を読んでおくことをお勧めいたします。私たちが忘れかけていたことを思い出させてくれます。  あの時に起きた自然災害が、僕たちに教えてくれたのは、「人類史場最大の人災」です。テレビではやたら津波のニュースが流れていますが、原発事故はどこへ行ったのですか。  今もなお、「原子力緊急事態宣言下」であることを知りませんでした。そうです。知らなかったのです。 ① 原子力発電の恐ろしさをもっと知ろう ② 言われるがままになるな。きちんと勉強しよう ③ 自分の頭で考えて行動しよう。2021/03/09

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