ちくま新書<br> 悪魔の証明 ――なかったことを「なかった」と説明できるか

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ちくま新書
悪魔の証明 ――なかったことを「なかった」と説明できるか

  • 著者名:谷岡一郎【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2021/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480074003

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内容説明

事実ではないことを「そんなことはなかった」と説明するのは、実際にあったことを立証するよりも困難だ。しかし人は往々にして、そんな「悪魔の証明」を他人に強要する。思い込みが先行した追及は、ともすると自らの挙証責任をないがしろにするので、相手に説明の「無限ループ」を迫ることになる。敵を混乱させたり、イメージ悪化を図るには有効だが、もはや建設的な議論や問題点の抽出は望めない。本書では、犯罪学や統計学、そして宗教学も参照しながら、悪魔の証明の正体に迫ろう。

目次

プロローグ 悪魔の証明
やってません
悪魔の証明
挙証責任と説明責任
ポジティブ・プルーフ
ポジティブとネガティブのリバース
「なかったことにしよう」とする人々
ギャンブル依存症の例
本書で使用する例
Ⅰ 犯罪を証明する手続き──「あったことを証明する」ことすら簡単ではない
犯罪の成立──犯罪成立三要件
構成要件該当性
違法性
有責性
裁判のルール
適正手続および罪刑法定主義
憲法と刑法の哲学
あったことの証明
オマエが言うな
あったことをあったとする非難
Ⅱ 挙証責任──立証の責任は誰にあるか
非難する側が証拠を出すべし
隗より始めよ
九五%の蓋然性
伝統的にあったことを否定する
なかったことの三要素
不可能性
非合理性
間接補強証拠・要因
挙証責任のトランスファー
反反論
不十分な反反論(再非難)
Ⅲ 不可能性──社会的不可能と神学論争
ノアの方舟
科学の絶対性
宗教家たちの選択
アクセスの制限
柔軟な宗教
神学論争
科学との融合を目指す宗派
Ⅳ 非合理性──科学的判断と不思議な論理
不自然さ
ストーリィの提示
マリアの処女懐胎
つじつま合わせ
根本の理由は誤訳
翻訳こと始め
不思議な不存在──あるべきものがない!
イエスの生誕地
自然科学における「不思議な不存在」
現代の社会事象──徴用工の例
統計解釈
妥当性
信頼性
社会調査のウソ
別の因果の可能性
Ⅴ 間接補強証拠・要因──証拠とデータの判断、討論の決着
情報・証拠へのアクセス拒否
物的証拠
データと記録
査察
証人
悪魔の証明ではない例
公開討論忌避
生討論会
紙上ディベート
主張内容の変化
レーダー照射
ブーメラン
Ⅵ 「なかったこと」の証明──武器になる反論とは
十分な蓋然性に至る道筋
不思議なレトリック
すりかえ
刑法上は不作為も行為
言論上の不作為
政治力──パワー・ポリティックス
死海文書とパワー・ポリティックス
国際グループの合意
「結論ありき」の方法論
背後の組織
物的証拠
イエスとパウロ
おわりに
ダブルスタンダード
裏の教会の話
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばんだねいっぺい

30
うーん。仮定からの断定系の人は、仮定条件の発生する確率を議論したいが、そもそも、そういう細かい議論ができないからこそ、そういうパワー系になるのだし、うーん。2023/08/28

ゲオルギオ・ハーン

24
図書館で法学の棚にあったので借りてみたが、中身は独善的なエッセイ集。他の方のレビューやAmazonで酷評されているとおり駄本と言われても仕方がないくらい中身はひどい。宗教や哲学など幅広い話をするのはいいのだが特に調べもせずうろ覚えの情報をもとに持論を展開していて読んでいて苦しい。法学の本と勘違いさせるタイトルと著者の組合せが良くないかなと思いました。書き方に品がなく、独善的な主張ばかりなので人によっては不快になると思います。2021/11/16

おおにし

17
図書館で見かけたので借りてみたが、噂どおりの駄本だった。聖書の記述を批判的に扱うのならキリスト教徒全員を敵に回す覚悟でやるべき。最後で「そのすばらしい内容の教義は、筆者の生きざまに浸透していると言って過言ではない。」などと言い訳しないことだ。従軍慰安婦問題でさんざん批判しておきながら「筆者は、朝日新聞のファンを自認している。」などとベンチャラは無用だ。筆者の底の浅さが露呈している。2021/07/18

大先生

16
評価が難しい一冊でした。「法学」の本・「学者」の本として読むと低評価にせざるを得ませんが、「娯楽本の一種」として読めばなかなか面白い一冊だと思います(笑)。著者は、「不起訴処分」を「判決」だと理解している節がありますが、犯罪学が御専門なのにまさか…単なる誤記ですよね?黒川さんの話で検事長でなく「検事正」の任免権云々とあるのも意味不明(苦笑)。安倍さん擁護、反韓的記載が多いのは南カルフォルニア大学のよしみでしょうかね。聖書の記載があり得ない(例えばノアの方舟)という話もありましたが、それは古事記も同じでは…2021/10/05

まゆまゆ

16
悪魔の証明と言われる、なかったことを証明することは本当にできないのか、を論じていく内容。犯罪の証拠をあったこととして証明しようとする検察でさえ100%証明することは難しいのに、逆もまた然り。論戦において疑いに対して証拠等の事実をもって証明するのは当然なのに、疑われた方が潔白を訴えるのは論戦とは言えない。あったことをなかったことにするのは簡単なのに(笑)2021/06/29

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