内容説明
市場原理でうまく稼ぎながら農村内の人間関係を維持することは、時に軋轢を生み苦労と気遣いを必要とする。ペルー北部山村のチーズを販売する農民の試行錯誤から生まれた知恵は、閉塞感のある現代社会に生きるわれわれにヒントをくれる。
目次
第1章 序章 経済人類学の農民研究と本書の目的
[第Ⅰ部 カハマルカ県酪農業の概要と乳製品を販売する農民の生活]
第2章 カハマルカ県酪農業とチーズ流通網
第3章 チーズ生産者の消費と社会関係づくり
[第Ⅱ部 村内における市場経済の影響と農民の振る舞い]
第4章 農村における市場経済の影響と農民の特異な経験
第5章 村内での利益追求と協調意識-社会/市場の重なり
[第Ⅲ部 都市の動向と村外に向けた選択]
第6章 ケシーリョ市場の取引関係-農民と仲買人
第7章 農村開発とチーズ生産者の選択-農民と開発支援者
第8章 終章 農民の計算と配慮の実践