内容説明
「さっきの女には、顔がなかったような気がする…」
山手線で遭遇した戦慄の怪――「隣に座った女」より
恐怖体験者を徹底取材!川奈まり子が克明に綴った実話集!
・見知らぬ土地で記憶を失ったまま立っていたという男性、その不可思議な半生と怪異体験談…「喪った過去より」
・ある家系の男だけが視るおぞましい異形の悪夢…「赤い女」
・大阪ミナミのど真ん中で頻発した怪奇現象の記録…「精華小劇場」
・某ホラー映像作品を流してから家で恐ろしい怪事が次々に!そして恐怖は伝染し取返しのつかぬ事態に…「本当にあった呪いの……」
・室町時代の上州にタイムスリップ 心霊スポット探索中の奇譚…「太田の迷い道」
――など27篇を収録。
怪異に寄り添う緻密な取材に基づいた川奈まり子の恐怖譚は、圧倒的な筆力で読者を魅了する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
61
実話怪談集。著者が得意とする怪談と随筆が一体となったような作品が多く満足する。やはり怪談と土地を結びつける部分がやはり江戸の考証随筆を思わせるのよね。ただその結びつきを重視するあまり土地の過去に縛られすぎな話も今回多いような気もしたけど。「精華小劇場」などは小学校跡地に子供の霊が出るというのはちょっと安直だし、「被爆校舎の思い出」もそのままだし。ただ個人的には土地の過去に縛られた話も学校の怪談系を思い出して悪くないような気もしてくるし。あと普通の怪談もありましたが、そちらは頁数が多く冗長な気もしました。2021/05/17
坂城 弥生
44
『黄泉つかい』のラストにゾッとした2021/09/07
雨
23
今回はちょっと合わなかった。2022/03/16
chatnoir
13
怪談の歴史的背景が説明された話が多い。さもありなんと思えて怖い。一番好きなのは、「若い頃はべっぴんだった」と自慢していたおばあちゃんが柩の窓から昔の姿を見せた話。なんか可愛いよね。2024/04/13
ラルル
9
予想に反して…というと失礼だけど、思いの外面白かった。この作家さん、いつも文章が少し分かりづらい(余計なくだりが多くダレる)のだけど今回はそれがあまり無く、読みやすかった2023/01/21