内容説明
そこは鼻をつままれてもわらかない漆黒の世界。滴下水でびしょ濡れになり、狭い隙間にはまって動けなくなり、ときには落石で骨折することもある。何度死にかけようとも、暗闇のその先にある、誰も見たことのない世界がどうしても見てみたい!!
・縦穴を降下中落石で骨折。300メートルのロープを片手でよじ登る。
・17センチの隙間があればとりあえず潜り込む。
・持ち込んだ食料はすべて食べきり、排泄物はすべて持ち帰る。
・洞窟内でご遺体を発見&大変だった搬出。
・世界中で洞窟探検&ベトナムで火山洞窟発見。
・目指すはラオスの巨大未踏洞窟。
「オレは洞窟に出合うためにこれまで生きてきた。もし洞窟に出合えなかったら、どんなダメな大人になっていただろう。そして、人生の全エネルギーを洞窟探検に注いでいる。洞窟探検ほど面白いものはない」(本書より)
洞窟に魅入られ、洞窟に人生を救われた洞窟探検家の、エネルギッシュで胸がすくような探検譚!
※電子版は、本文中に使用している写真がカラーになっております。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
28
作者の洞窟に関わったきっかけから来歴が纏められた本。口語体の文体が少し気になるが、洞窟趣味の魅力を伝えたいという作者の思いがよく伝わる。洞窟に嵌る人以外はこんな世界もあるんだという感想に留まるかもしれない。2022/07/11
魚京童!
15
途中からリーダー失格してた。振り回していただけ。自分が愉しければいい人になっていた。組閣したのに。嫌いじゃない。私もこんな人間だから反面教師だ。やばいなって思った。面白い人でいてくれなかった。南方熊楠なのかもしれない。一面を切り出せば面白いが、同じ枠内にいてはダメな人。死ぬことが隣にある人。なんか違うな。言葉にできないけど、途中でやめるだけの何かがある。もう一歩踏み込んでみたら、私は愉しくなっちゃうのかもしれない。だからここでやめておくほうが良いと思う。これでやめよう。もう終わりだ。2023/02/25
オカピー
7
巻頭の洞窟写真は、圧巻です。行ってみたいと思う反面、とても怖くて行けません的な、相反する気持ちになりました。地下には、まだまだ知られていない未知の世界がたくさんあるのでしょうか。凄い行動力に脱帽です。小さいころに親に連れて行ってもらった、小さな鍾乳洞が精一杯です。(笑)2023/06/24
流石全次郎
7
魅力的な内容で読み易かったです。本当はひとつひとつのエピソードにもっと深い説明もできる筈だけど無理矢理さらりとまとまった印象を残され少し興ざめしながら読みました。著者の取り組みや実績も凄いなと感銘をうけつつ、自伝の色合いが強烈なのでもう少し客観的に淡々と描かれてたらよかったのにと思いました。ただそうなるとこの一冊では収まらないのが著者の馬力と生き様なんでしょう。2021/07/13
yamakujira
5
洞窟探検の第一人者が、洞窟探検に魅せられるきっかけから世界各地での探検の様子を語る。今でも梅里雪山をはじめとする未踏峰や熱帯雨林の奥地には人跡未踏の地があるけれど、衛星写真に写る陸上では新発見と高揚するような探検は難しそうな現在、探検の余地は深海か宇宙しか残されていないと思いきや、地底という空間に気づかせてくれる。未知の世界をみたいと願う著者の動機は頷けるけれど、落石、滑落、溺死などに加えて、洞窟内での道迷いは恐怖だな。これからも未知の世界の写真や映像を、事故なく見せてほしいね。 (★★★☆☆)2021/06/27