文春文庫<br> 正しい女たち

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文春文庫
正しい女たち

  • 著者名:千早茜【著】
  • 価格 ¥690(本体¥628)
  • 文藝春秋(2021/05発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/28)
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  • ISBN:9784167916879

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内容説明

容姿や年齢、結婚、セックス、お金とプライド…
本音の見えづらい関心事を正しい姿という共通のモチーフで鮮やかに切り取る短編集。

不倫に悩む親友にわたしがしたこと(「温室の友情」)、
同じマンションに住む女に惹きつけられる男(「偽物のセックス」)、
残り少ない日を過ごす夫婦の姿(「幸福な離婚」)――。
偏見や差別、セックス、結婚、プライド、老いなど、
口にせずとも誰もが気になる最大の関心事を、正しさをモチーフに鮮やかに描く短編集。

解説・桐野夏生

※この電子書籍は2018年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

108
この作家の人物描写には、独特のものが感じられてとても好きである。世間には、むやみやたらとタチの悪い「先生」と呼ばれる輩がはびこっているようだ。国民の健康をあずかる医師は大方よしとして、政治家までもが「先生」と呼ばれるのは、いささか行き過ぎであり腹も立つが…。読み終えて、6篇の短篇にかぶされた「正しい女たち」のタイトルの「妙」が甦ってきた。2021/05/25

まさきち

82
それぞれの女性が各々の信念に従い、色々な状況の下で生きていく姿を描いた短編集。各編の関わりが微妙にかいまみれたのも楽しみの一つでした。2021/06/05

tenori

77
千早茜さんの著作は女性好みかなと思うのですが、男性である私は男性にこそお薦めしたい作家さんのひとり。特にこの作品。濃淡あれど女性が持ち合わせる正しさと、そこから逸脱してしまうことの悩ましさを高校生時代の4人グループ目線で繋いだ連作短編。登場する男性陣(中でも腐った感じの)に自分を重ね合わせ読むべし。拒絶をしつつも、何かを教示するような強さと優しさ。男性は女性に踊らされ、甘えている、そして育てられている。そんなことを感じさせられる一冊。桐野夏生さんの解説も秀逸。2022/11/19

佐島楓

72
正確には「正しいと思っている女たち」に近いか。そもそも、正しさとは何だろう。みな自分の正義感に沿って生活しているのだから、そこに齟齬が生まれる。最適解など、誰に決められるものでもない。すべて結果論に過ぎない。そんなことを自分のなかで考えてしまう。2021/05/21

チョコ

69
初めは仲良しの4人の女子の話から始まる短編集だけど、それぞれの話になっていて、しかもご主人目線もあったりで面白かった。人生とは一人一人が主役。何が正しいか、正しければ良いのか。『偽りのセックス』のご主人が良かった。こうやって男性は臆病になっていくのだろうなぁ、、と思ったり。千早茜さん、細かい心理描写がほんとうまいなぁ。巻末の解説で、気づきがあり、やはり文庫版はこれがいいのよ!っと再確認してしまった。2024/07/13

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