内容説明
今日の法律学の土台をなすローマ法も、歴史的時間のなかで常に新しいローマ法像を獲得してきた。現在、大きな変化が要請されていると認識する著者は、法のみならず政治やデモクラシー、文学や哲学、信用や労働等の認識の再点検を行って、新しいローマ法像へと向かう扉を開く。法学に留まらず、現代社会を捉え直すために必須の教養書。
目次
はしがき
序
第1章 歴史的前提
1-0
1-1 政治
1-2 都市と領域
1-3 ローマにおける政治の成立
1-4 ローマの政治制度、その骨格
1-5 裁判ないし刑事司法制度
1-6 都市の実現
1-7 領域の組織
第2章 民事法の原点
2-0
2-1 デモクラシーの原理
2-2 ローマのデモクラシー
2-3 占有
2-4 民事訴訟
2-5 取得時効
2-6 消費貸借
2-7 地役権、相隣関係、不法行為
2-8 財産の金銭評価
2-9 身分法
第3章 契約法の基本原則
3-0
3-1 助走
3-2 契約法を生み出した社会
3-3 契約法の骨格
3-4 売買
3-5 委任
3-6 組合
3-7 寄託、銀行
3-8 bonorum possessio
3-9 嫁資(dos)、ususfructus、fiducia、そしてusucapioの付加的要件
3-10 自由人の労働
第4章 所有権概念の登場とその帰結
4-0
4-1 新しい現実
4-2 占有概念の転換
4-3 領域上の占有を売買する
4-4 契約責任の変貌
4-5 不法行為法の変化
4-6 意思voluntas
4-7 民事訴訟の変容
4-8 争点決定litis contestatio
4-9 刑事訴訟の新展開
4-10 犯罪の新しい概念
第5章 所有権に基づく信用の諸形態
5-0
5-1 locatio conductio
5-2 質権
5-3 債権信用
5-4 condictio周辺の新動向
5-5 保証
5-6 特有財産 peculium
5-7 身分法の変容
補遺
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