内容説明
生きるのだ。生きて、漆黒の闇に明かりを灯すのだ―!
天羽藩上士の子・伊吹藤士郎は藩政を揺るがす証文を発見する。
それは豪商と癒着した咎で切腹した父親が隠し持っていたものだった。
藤士郎は証文を江戸に向かう恩師に秘かに託すと、追っての囮となるために脱藩する。
証文のたどり着く先を探るため、異母兄の柘植左京とともに権謀術数渦巻く天羽藩下屋敷への侵入を画策するが…。
青春時代小説シリーズ、第二弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
48
面白かったです。自らが囮となるために脱藩する藤士郎が格好良く見えました。青春時代小説の良い所が詰まっていますね。2022/05/14
鍵ちゃん
27
天羽藩上士の子・伊吹藤士郎は藩政を揺るがす証分を発見する。それは豪商と癒着した咎で切腹した父親が隠し持っていたものだった。藤士郎は証文を江戸に向う恩師に密かに託し、自らは追手の囮となるため脱藩する。証文の行く末を探るため、異母兄弟の柘植左京と共に天羽藩下屋敷へ侵入を画策するが。本当に武士は見動きが取りにくい。それ故悲しい事が繰り返される。左京と共に藤士郎は江戸で大人になり、真実に立ち向かう事が出来るのか。第3章完結に向う。本当に人間的に大人になった。2021/09/06
uuuccyan
21
藤士郎と左京は脱藩して江戸へ向かった。それぞれ追っ手からから逃げ切り江戸で暮らし始め、証文の行先を探る。しかし読み進めても肝心なところは一向に進まず最後の最後にやっと動き出した感じ。今回の内容は『天を灼く』と『人を乞う』の繋ぎかな。ただ帯にあるようにこれは青春時代小説だから、二人の江戸での暮らしぶりなど十分楽しめたから良しとしよう。2023/02/13
雲母
21
辛い別れの後、天羽藩を脱藩し兄柘植左京と江戸に入った伊吹藤士郎のお話し。全くあさのあつこ作品に登場する人物は何故にこんなに魅力的なのでしょう。真っ直ぐで濁りのない魂を持つ人物。初めて藤士郎に会った人達も浪人の身でありながらでも彼に好感を持ちます。クールでピリピリした感の腹違いの兄、左京との対比も面白い。藤士郎の願いと望みが叶うか?いよいよ故郷に帰ります。次巻が楽しみです。2022/06/15
やな
19
1作目よりはすんなりと入っていけた。江戸での奮闘ののちいざ天羽へ、次はクライマックスかな?2020/09/20