ちくま学芸文庫<br> 官能美術史 ──ヌードが語る名画の謎

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ちくま学芸文庫
官能美術史 ──ヌードが語る名画の謎

  • 著者名:池上英洋【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 特価 ¥693(本体¥630)
  • 筑摩書房(2021/05発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/27)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480096517

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内容説明

恥じらいながら、生まれたばかりの透明な素肌を露にする愛の女神ヴィーナス、恍惚としてひとり横たわるマグダラのマリア、近代をとりこにした東洋の女奴隷たちの妖艶な姿態―西洋美術の世界を彩る美しいヌードが大集結。性のモラルの厳しいキリスト教社会で裸体を描くことがどうして可能だったのか? その多くが神話や聖書を題材とするのはなぜか? ボッティチェッリ描くヴィーナスのお腹が膨らんでいるわけは? いくつかの鍵を用いて読み解くと、魅惑的な姿に秘められた謎があざやかに浮かびあがる。カラー多数。200点以上の図版とともに楽しくアートの世界へ誘う極上の美術案内。

目次

はじめに
第一章 ヴィーナス──官能の支配者
ヴィーナスの誕生
よみがえった太古の美神
女神の花園
愛のアレゴリー
「横たわるヴィーナス」の系譜
ヴィーナスとアドニス──薔薇を染める血
第二章 官能なる神話の世界
クピド──私たちの悩みのタネ
ゼウスの愛人たち
アポロンとダフネ──逃げる女
アモールとプシュケー──逃げる男
奪われる愛
第三章 画家たちの愛
ピュグマリオン──自らの作品に恋した男
ファム・ファタル──画家に人気の悪女たち
イヴとパンドラ──ふたりの最大のファム・ファタル
ラファエル前派の女たち
画家とモデルの愛憎劇
第四章 かけひき──キスから結婚まで
キス──恋のはじまり
ラヴ・レター
美女の条件
結婚のあるべき姿
結婚の実際──貞潔と年齢差カップル
第五章 秘めごと──ポルノグラフィー、不倫と売春
夫婦の営みとポルノグラフィー
描かれた睦みごと
愛欲のシンボルとアレゴリー
不倫
売春
マグダラのマリア──悔い改める娼婦
第六章 さまざまな官能芸術──同性愛・愛の終わり・昇華された愛
同性愛
近親相姦
愛が冷める時──心変わりと嫉妬
永遠の愛──愛の昇華
主要参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

100
性愛やヌードをテーマに集めた絵画を中心に紹介する。文庫なので、サイズが小さいのが難点だけれど、豊富な図版は眺めているだけでも楽しい。神話や伝説、キリスト教から始まり、庶民を描いた風俗画まで、絵に描かれた様々なアイテムによって作品にはどんな意味があるのか、ひとつひとつ丁寧に解説しているので、とても勉強になりました。ブグローの「春の訪れ」、ブロンツィーノの「愛のアレゴリー」が素敵でお気に入りの絵画です。2017/05/07

やいっち

61
「200点以上の名作で読む 西洋絵画の美の秘密 西洋美術に溢れるエロティックな裸体たち。そこにはどんな謎が秘められているのか? カラー多数!」看板に偽りなしで、仕事の車中で楽しむ本ではないのだが、楽しませてもらった。もっと大型の本で閲覧できたら…というより複製画でいいので名画の数々をじっくり楽しみたい。池上 英洋の解説を心ここにあらずで眺め、作品ばかりをじっくり。2025/07/14

zirou1984

41
「90歳になったから、そろそろセックスと煙草は控えるつもりだと、亡くなる前年にピカソは友人に語っている」まじっすかー。西洋文明の歴史は欲望の歴史、絵画の系譜は裸婦画の系譜と言うことで、寝取られ同性愛に近親相姦なんでもござれなギリシャ神話と抑圧禁欲性愛否定、だけど法悦(エクスタシー)だけはオーケーなキリスト教という二つの軸を中心とした官能目録書。カラー図版も多数含まれている上、冒頭に挙げたようなトリビアや時代風潮、絵画におけるアイコンの意味など、観るだけでなく読んでも愉しい内容満載な一冊。2017/01/04

❁Lei❁

39
「なんで西洋絵画の女の人は裸なことが多いの?」という、昔からの疑問に答えてくれた本。面白かったのは、聖書にまつわる絵画ならヌードOKなのに、単なるポルノ目的のヌードは下品だからNGとされたことです。そのため、スザンナのように裸の女性が登場する聖書のエピソードは、ヌードを描く口実としてうってつけだったのだとか。画家たちの秘められた下心を想像すると、ちょっと笑えますね。性交で快楽を感じてはいけないなど、性に厳格なキリスト教文化のことも知ることができて、とても勉強になりました。2025/06/24

kaori

38
神話、教義、実生活における恋愛の場面などあらゆるテーマからヌード絵画を解説。それは西洋美術における愛と性の歴史である。画家たちは何をその絵画に込め、見るものは何を読み取ってきたのか?そう考えると、ヌード絵画は人々が愛を求めて喜び、悩み、苦しんだ痕跡であることがよく分かる。特にヴィーナスの第一章と、第三章の画家たちの愛のテーマが興味深かった。2014/12/08

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