ちくま学芸文庫<br> 官能美術史 ──ヌードが語る名画の謎

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ちくま学芸文庫
官能美術史 ──ヌードが語る名画の謎

  • 著者名:池上英洋【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2021/05発売)
  • 夏のおとずれ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~6/22)
  • ポイント 225pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480096517

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内容説明

恥じらいながら、生まれたばかりの透明な素肌を露にする愛の女神ヴィーナス、恍惚としてひとり横たわるマグダラのマリア、近代をとりこにした東洋の女奴隷たちの妖艶な姿態―西洋美術の世界を彩る美しいヌードが大集結。性のモラルの厳しいキリスト教社会で裸体を描くことがどうして可能だったのか? その多くが神話や聖書を題材とするのはなぜか? ボッティチェッリ描くヴィーナスのお腹が膨らんでいるわけは? いくつかの鍵を用いて読み解くと、魅惑的な姿に秘められた謎があざやかに浮かびあがる。カラー多数。200点以上の図版とともに楽しくアートの世界へ誘う極上の美術案内。

目次

はじめに
第一章 ヴィーナス──官能の支配者
ヴィーナスの誕生
よみがえった太古の美神
女神の花園
愛のアレゴリー
「横たわるヴィーナス」の系譜
ヴィーナスとアドニス──薔薇を染める血
第二章 官能なる神話の世界
クピド──私たちの悩みのタネ
ゼウスの愛人たち
アポロンとダフネ──逃げる女
アモールとプシュケー──逃げる男
奪われる愛
第三章 画家たちの愛
ピュグマリオン──自らの作品に恋した男
ファム・ファタル──画家に人気の悪女たち
イヴとパンドラ──ふたりの最大のファム・ファタル
ラファエル前派の女たち
画家とモデルの愛憎劇
第四章 かけひき──キスから結婚まで
キス──恋のはじまり
ラヴ・レター
美女の条件
結婚のあるべき姿
結婚の実際──貞潔と年齢差カップル
第五章 秘めごと──ポルノグラフィー、不倫と売春
夫婦の営みとポルノグラフィー
描かれた睦みごと
愛欲のシンボルとアレゴリー
不倫
売春
マグダラのマリア──悔い改める娼婦
第六章 さまざまな官能芸術──同性愛・愛の終わり・昇華された愛
同性愛
近親相姦
愛が冷める時──心変わりと嫉妬
永遠の愛──愛の昇華
主要参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

99
性愛やヌードをテーマに集めた絵画を中心に紹介する。文庫なので、サイズが小さいのが難点だけれど、豊富な図版は眺めているだけでも楽しい。神話や伝説、キリスト教から始まり、庶民を描いた風俗画まで、絵に描かれた様々なアイテムによって作品にはどんな意味があるのか、ひとつひとつ丁寧に解説しているので、とても勉強になりました。ブグローの「春の訪れ」、ブロンツィーノの「愛のアレゴリー」が素敵でお気に入りの絵画です。2017/05/07

zirou1984

39
「90歳になったから、そろそろセックスと煙草は控えるつもりだと、亡くなる前年にピカソは友人に語っている」まじっすかー。西洋文明の歴史は欲望の歴史、絵画の系譜は裸婦画の系譜と言うことで、寝取られ同性愛に近親相姦なんでもござれなギリシャ神話と抑圧禁欲性愛否定、だけど法悦(エクスタシー)だけはオーケーなキリスト教という二つの軸を中心とした官能目録書。カラー図版も多数含まれている上、冒頭に挙げたようなトリビアや時代風潮、絵画におけるアイコンの意味など、観るだけでなく読んでも愉しい内容満載な一冊。2017/01/04

kaori

37
神話、教義、実生活における恋愛の場面などあらゆるテーマからヌード絵画を解説。それは西洋美術における愛と性の歴史である。画家たちは何をその絵画に込め、見るものは何を読み取ってきたのか?そう考えると、ヌード絵画は人々が愛を求めて喜び、悩み、苦しんだ痕跡であることがよく分かる。特にヴィーナスの第一章と、第三章の画家たちの愛のテーマが興味深かった。2014/12/08

Nat

35
西洋美術史における官能的な作品群をテーマに沿って観ていく本。沢山の作品を見ることができ、とても面白かった。全部の作品がカラーでないことや少し小さなものが多いのが残念だが、解説は読みやすく、わかりやすかった。五章の「秘めごと」は、普段あまり見ることのないテーマで刺激的な作品が多く、驚いた。2020/04/02

33
神話、同性愛、はては近親相姦までテーマごとに分けて官能をテーマにした絵画を主にイコノロジー的な観点から解説しています。絵画に関連するアレゴリーについてもある程度言及されているので今後の絵画鑑賞にも一役かってくれそうな気も。表紙は女性ですが当然このように官能美術史ですから女性が主役の絵画が多く、官能美術史、官能の絵画について知れたというよりは女性が絵画の中の官能的な主題でどのように描かれているかの方が知れた気がします。女性の処女貞潔至上主義など社会文化のなかの女性の姿を感じることができた上に→2014/12/13

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