創元推理文庫<br> ほんものの魔法使

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創元推理文庫
ほんものの魔法使

  • ISBN:9784488560027

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内容説明

魔術師――時に奇術師や手品師とも呼ばれる人々が住まう都市マジェイア。偉大なる魔術師の娘ながら周囲からできそこない扱いされていた少女ジェインの前に、ある日ふしぎな青年があらわれる。ものいう犬モプシーとはるばる山のむこうから旅してきたという彼は、魔術師ながら肩書きのない“ただのアダム”と名乗る。魔術師名匠組合(ギルド)への加入を希望するアダムのために、ジェインは助手となって審査会に臨むことに。そこで彼女が目の当たりにしたのは、種も仕掛けもない“ほんものの魔法”だった。矢川澄子の名訳で贈る、色褪せぬファンタジイの名作。/解説=井辻朱美

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

113
まあまあおもしろかった。魔術師(いわゆる手品師)たちが高い地位につける街にフラリとやってきた若者・アダムが、じつは本当に種も仕掛けもない魔法を使える「本当の魔法使い」だったというファンタジー。すごく物語を簡単に説明すると、ただその若者が街に2日間だけ滞在して去っていくというだけの話なんだけど、若者のトリックを暴こうと試行錯誤する魔術師たちと、じつはそんな魔術師たちですら「魔法使いである」と述べるアダムの対比が鮮やか。そして終わり方がとっても清々しくてよかった。2022/01/20

アナーキー靴下

85
【オール・ハロウズ・イヴ(All Hallow's Eve)Fantasy読書会’21】お気に入りの方の感想で知った、ギャリコのファンタジー小説。新版だが新訳ではないようだ。ほんものの魔法は確かに出てくるのに、現実にあっても不思議ではない物語は、色々なものが詰まっていて考えさせられる。自然崇拝と科学の対立のようであり、魔法を楽しんでいたはずの人々がほんものの魔法を否定する、という皮肉のようでもあるが、愛に飢えていた小さな女の子だけに教えてあげた魔法は、知らないままでいられるならそれも幸せなのかもしれない。2021/10/30

ナミのママ

50
【再読】ひさびさのファンタジー。以前に読んだのは10代か、あまりに懐かしくて店頭で手にした。魔術師が集まって暮らす都市、その組合に加入するための試験を受ける青年アダムと喋る犬モプシー。アダムはほんものの魔法使い。魔術師組合統領の娘ジェインを助手に試験にのぞむアダム。40年以上前に書かれたからくり屋敷が面白い。はじめて読んだ時の記憶はないが、見えないものとか想念とか考えたかな?時代と自分の流れを感じる。琴線に触れるものも変化している。短いながらギュッと詰まった内容だった。2021/06/12

しまふくろう

32
なんとなく買い。 物語は魔術師の街に魔法使いが来た話。街の人達が手品を魔術と呼んでいた事から起きる勘違いコメディかと思いきや、ほろ苦い結末にしんみりする。肝心のアダムが魔法と魔術の違いに頓着していないのは面白い。技術ではなく、心の持ちようを教わる事で救われたジェインも良かった。 童話みたいで何処か懐かしい感じのする物語だった。2021/04/06

Ribes triste

20
奇術師たちが集う魔法都市マジェイアを訪れた、アダムとお供の言葉を話す犬のモプシーは、少女ジェインと出会う。アダムの存在は、マジェイアの人々を驚かせ、そして報われずにいたジェインの心に魔法を運んでくる。 素敵な物語でした。2022/08/22

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