内容説明
夏の夜の神戸を彩る生田神社の花火。それを、異人館のボウ・ルーム(弓の部屋)から眺める男女の間で、突如、殺人が……。被害者は、メイド・光子の夫の山中。彼は、電灯を消した一瞬にすり替えられたコップを口にして、毒殺された。捜査の進展につれ、居合わせた人々の過去が、次々にあばかれて……。神戸情緒あふれる、本格ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tanaka9999
9
1981(昭和56)年発行、講談社の講談社文庫。異人館で起きる殺人。語り手の現在と過去が絡んで話が進んでいく。クライマックス直前の自白がなんらかの罠なんだろうとはわかるが、しかし芝居とは。トリックはよくあるものだが、実行する場面ではかなりぼかされているようで、なかなか気づけないのではないだろうか。2023/03/07
マヌヌ2号
4
外資系の会社に勤める道子が、社長夫人の自宅である異人館で主催されるパーティーに出席したところ、使用人の男が殺され、恋人の助教授・渋沢が捜査を手伝い始めることになり……という筋書きのミステリ。この捜査を契機として、登場人物の過去が段々と明かされていくのですけれど、この手際が抜群に良かったです。途中、道子が昔万引きをしていたことが明かされるのですが、そこで彼女の叔父から語られる「過去の過ちはなかったことにならない」という訓戒が、他の人の過去が分かり、事件の全貌が明らかになるにつれて、重みを増してくるのですよね2019/08/13
TANI
1
イベントが近かったので、清涼院流水先生を読みまくっていた矢先。息抜きに手に取りました。 文章とか登場人物の書き方とか、読みやすくあっという間に読了。 トリックはあまりスッキリしませんでしたが、楽しく読めました。 毒の出し方はミステリに良くある手法。オリジナリティをそこに付随させた真相の組み立て方が楽しかったです。2018/11/07
kanamori
0
☆☆☆2011/10/17