日経文庫<br> 医療と介護 3つのベクトル

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日経文庫
医療と介護 3つのベクトル

  • 著者名:池上直己【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 日経BP(2021/04発売)
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  • ISBN:9784532114404

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内容説明

■日本の医療・介護は、度重なる制度改正や高齢化などによって変わり続け、複雑な仕組みとなっていますが、その本質や、変化の大きな流れを、本書では(1)専門分化、(2)事業化、(3)公平化という3つのベクトルからとらえることで明快に読み解きます。
■第1のベクトルは「専門分化」です。医師には患者を治すという使命感がありますが、医学の膨大な知識を全部修得できませんので、専門分野に特化するベクトルが働き、それを測る指標は専門医制度の完成度です。
第2のベクトルは「事業化」です。医療は医師の診療だけでは成り立たず、医療機関は「事業体」としてヒト・モノ・カネを確保し、事業計画に従って事業を展開する必要があります。そのためには医療機関の経営が、医師の家計や政府の予算から独立している必要があり、独立の程度によって、「事業化」のベクトルを測れます。
第3のベクトルは「公平化」で、だれでも、どこでも、いつでも受診できる体制を構築し、維持することです。医療は命が関わりますので、患者は「身の丈にあった」医療ではなく、最善の医療を借金してでも受けようとします。そのため世帯が貧困になる大きな理由は医療費にあります。したがって、医療費によって貧困にならない体制の達成度によって「公平化」のベクトルを測れます。
■以上、3つのベクトルをもとに日本の医療と介護の現状と問題点、今後の改革の方向性を明らかにしていきます。

目次

第1章 専門分化のベクトル
 英米における展開/日本の特性/診療報酬による対応
第2章 事業化のベクトル
 事業化への対応/諸外国における対応/日本の特性/診療報酬による規定
第3章 公平化のベクトル
 医療の特異性/欧米における公平化/日本における公平化/診療報酬による対応/医療計画による対応
第4章 介護保険の見直し
 医療と介護の関係/欧米における長期ケアの展開/介護保険創設までの経緯/介護保険の概要/制度設計の基本問題
第5章 今後の展開
 寄木細工の日本の制度/現行制度の課題/医療と長期ケアの統合再編案

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バーニング

3
医療制度を(医師の)専門文化のベクトル、事業化のベクトル、公平化のベクトルの3つのベクトルから分析する一冊。主要な分析対象は日本の医療制度だが、国際比較のために適宜アメリカやヨーロッパ各国の制度を参照しているため、日本の制度が諸外国といかに違うか/違わないかがクリアーにわかるような構成になっている。これらの分析のあとに介護保険の見直しを加えることで、医療・介護が分散されずに一体となった形の制度(公的保険の統合を含む)の再構築を最後にビジョンとして提示している。コンパクトな一冊さが読み応えはある。2025/05/02

tototo

1
名著誕生2021/06/05

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