内容説明
古典『カラマーゾフの兄弟』『源氏物語』から最新話題作まで、ちょっと読み方を変えれば面白くなる「読む技術」を著者が伝授します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひこうき雲
154
良書。タイトルから連想するようなテクニックに走りすぎず、読書する楽しさを教えてくれる。著者が伝えたいことは「あなたの今の人生で大切なテーマと、小説の中のテーマが、ぴたりと一致した時、それはかけがえのない読書体験となる」ってこと?それともこれはメタファー?2020/11/29
trazom
146
抜群に面白い一冊だった。小説は「題名から中味が連想できない商品」だと文句を言うだけあって、この本のタイトルは余りにも具体的で笑っちゃう。古今の20の名作小説を取り上げて、読む技術を指南しているが、お道化たような文章ながら内容はとても深くて感動的。例えば「ピーター・パンとウェンディ」の「お母さんは飛べないんでしょ」というジェーンの言葉が、これほど深い悲しみを蔵していたとは、私は全く気付いていなかった。「むやみに接続詞を使わない芥川」とか「書くことを最小限に抑える川端」など、作家の本質を突いたコメントも鋭い。2020/11/22
徒花
127
まあまあおもしろかった。「小説の読み方」を教えるハウツー本であり、文学作品の名著の解説本であり、そして著者のそれぞれに対する作品の解説でもあるふしぎな一冊。とにかく本に対する愛が伝わってくるし、ものすごく考えて感じ取りながら本を読んでいるなーというのがわかって背筋が正される思い。あとは芥川龍之介とか太宰治の文章がいかに洗練されているのかというのがよくわかる。ただ、どういう人にすすめるべき本なのかはよくわからない。でも読んでいて楽しい。そんな本。2021/03/02
岡部敬史/おかべたかし
120
バルザックの「ゴリオ爺さん」は、モーニングあたりで連載している青年漫画みたいに読もう!とか、若き書評家が大胆にその面白さを喝破、喝破してて痛快。この人、才能あるなー。これからいろいろ読んでみたいと思いました。2021/01/03
うののささら
95
何気なく手にとってみたが意外と面白かった。本を楽しく読む見方は目から鱗で文学部の授業ってこんな感じかなと思えた。個人的には本はさらっと読んで気になるとこだけしっかり読んで細かいことはあまり考えないが、研究者の解釈を読むのも楽しそうだな。今の人生のテーマと小説のテーマが重なった時かけがえのない読者体験になる。2020/11/10