内容説明
サッポロ・シティ・ジャズで賑わい始めた初夏の札幌。市内で起きた宝石商の強盗事件を追っていた機動捜査隊の津久井卓は、当番明けの夜に立ち寄ったバー「ブラックバード」でピアニストの安西奈津美と出会う。彼女は、人気アルトサックス・プレーヤーの四方田純から声がかかり、シティ・ジャズへの出演を控えていた。ジャズの話をしながら急速に深まる津久井と奈津美の仲。しかし、そんななか中島公園近くの池で女性死体が見つかり、奈津美に容疑がかかってしまう……。大好評“北海道警察”シリーズ、第七弾。(解説・千街晶之)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
56
夏の大イベント、サッポロ・シティ・ジャズを前に賑わう札幌で、津久井刑事はピアニストの安西奈津美と知り合い魅せられる。奈津美はシティ・ジャズで女性に人気のサックス奏者四方田純のジャズコンボに参加するという。そんなとき近くの公園で女性の他殺死体が発見され、奈津美に疑惑の目が向けられる。シリーズ7作目は恋心と捜査の間でもがく津久井が切ない。非番の佐伯が、同じく非番の新宮を呼び出すときに言う「津久井の純情を応援するんだ」が泣かせる。2021/04/21
siro
54
道警シリーズ。前作を読んでちょっとマンネリ化してきたかなと感じていましたが、今回は津久井のために仲間が協力。一作目の記憶が呼び起こされて、なかなか面白かったです。津久井の決断は女としては冷たく感じますが、警察官としての強い意思がカッコいい。そしてラストのブラックバードの津久井の様子が切なくて…それと佐伯さん、やっとですね(笑)慎重すぎて逃げられちゃうかと心配してましたよ。2016/09/01
達ちゃん
51
道警シリーズ7作目。まさかの?津久井さんの純情・・・。お馴染みのメンバーのお馴染みのやり取りですが、今回も楽しませてもらいました。シリーズ続いてほしいです。2019/03/18
めぐ
50
道警シリーズ第7弾。4作品目の「巡査の休日」は読むのがかったるかったけれど、その後はサクサク手軽に読める娯楽本として楽しんでいます。「うたう(笑う)警官」のような、ページをめくるのがもどかしい感じがない代わりに、すっかり大人っぽくなったベテランだから、落ち着いて見ていたらなんとかなるからだろうという安心感。オトナだから、苦い恋愛もあるし、相手の立場を思いやる恋愛もあるのね。節操の無いジャズマンには天罰をくだしたいわ。刑事事件じゃなくて世間がくだしてくれるかな。2017/09/15
nemuro
40
<北海道警察>シリーズの第7弾。今まで読んできた各作品は、どれか1冊を単独で読んだとしても十分に楽しめる感じだった。しかし、本書に関してはちょっと違って、順番に読み継いでいた方が良さそう。特に、第1弾の『笑う警官』あたりは必須。いつものような同時並行的に事件が多発する要素は少なくて、主要メンバーの津久井卓の揺れる心情を中心にが描かれている。多少物足りなくもあり、案外感慨深くもある。シリーズ中、たしかに少し異色かもしれない作品。さて、順番に読み重ね、ようやく『真夏の雷管』に辿り着けた訳である。2020/03/11