内容説明
犬も歩けば,棒にあたる――一度何もかもを手放し,徒手空拳の犬になる.すると,何かにぶつかる.コツンと乾いた音がして周囲が一瞬明るくなり,そこから次の展開が生まれてくる.それが「開かれたかたちで,考える」ということの指標だ.幕末から戦後,そして現在を貫いて,紋切り型の「正しさ」を内側から覆す,新しい思考の流儀.
目次
はじめに 演題について┴1 「犬も歩けば、棒にあたる」ということ┴2 間違う思考は、間違いか 吉本隆明さんとのやりとり┴3 「内在」から「関係」への転轍 『日本人の自画像』┴4 現代世界と尊皇攘夷の「変態力」┴5 幕末の攘夷思想と昭和前期の皇国思想┴6 吉本隆明の一九四五年┴7 護憲論の二階建て構造┴8 壁にぶつかる護憲論┴9 憲法九条から日米安保へ