内容説明
超高齢化社会が進む中で介護人材を増やしていかなければ,介護サービスの質の低下を招き,利用する高齢者やその家族は安心して暮らしていくことはできない.ブラック化する介護労働の実態,利用者からのセクハラ・パワハラ,管理職の指導力・養成力の欠如,外国人介護士の受け入れなど,介護現場の課題を明らかにし,解決策を提示する.
目次
はじめに┴第一章 介護保険サービスが受けられない┴1 在宅介護サービスの危機┴2 介護施設でも利用制限┴3 介護職の有効求人倍率の衝撃┴4 将来的に介護人材不足は深刻化する┴5 あなたも介護職に殴られるかも┴第二章 どうして介護職は敬遠されるのか 介護職養成の難しさ┴1 5K職場と言われて久しいが┴2 定員割れが続く介護福祉士の養成学校┴第三章 なぜ辞めてしまうのか┴1 全産業を上回る離職率┴2 介護職が辞める要因┴3 利用者からのパワハラで心が折れる┴4 セクハラ被害が深刻┴5 中間管理職による二次的被
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
18
タイトル通りの一冊。もう遅い。2022/08/30
アルカリオン
17
人材不足が深刻なため、不適切な介護者も採用されているのが事実。そういう場合の苦情等は適切に行うべきだ。しかし、「お客様意識」から高圧的な態度を取ったり過度な要求をする被介護者・家族も多い。人手不足が深刻な中で、そのような被介護者は敬遠され、ヘルパーの派遣を受けられなくなる。「お金を払っているのだから感謝する必要はない。サービス品質には一切妥協しない」という姿勢では自分が困ることになる。2022/07/22
kou
17
介護職の離職率の高さに驚いた。5K(きつい、きたない、きけん、くらい、くさい)と言われているらしいが、仕事内容や収入面だけではなく、現場の中間管理職とゆとり世代との間にある認識の差も大きいことがよく分かった。先行きが暗い業界だが、頑張っている人達が報われる日が来ることを願わずにはいられない。2019/11/03
Koji Takahashi
13
《正しく伝えているはじめの一冊》 P82「要介護者が選ばれる時代に」 介護人員が充足することは恐らく無いでしょう。 外国人では数年で帰国するし、訪問系では働けないので充分ではない。 介護ロボットなんて殆ど使い物にならない、せいぜいカーナビレベル。介護ロボット一台を一人の人員扱いされたらたまったものではない。 残念ながら今の仕組みを大きく変えない限り、介護職は増えないし、事業所は淘汰される。 そうなれば「手のかかる」「偉そうな」高齢者、そして家族は断られます。2020/03/22
ヒナコ
9
介護現場で人材が不足することによって、訪問系のサービスだけでなく施設系のサービスまでもが機能不全に陥ってしまっている現状を概観し、その原因に触れられている。著者によれば、介護職不足は介護ロボットの導入や、外国人労働者の登用では解決できないらしい。そこで、現役の介護職と介護職への就職を希望している学生への対応が大切になるという論旨だった。 論旨自体はそれなりに理解できたが、介護職不足の原因の分析や打開策については、かなり不満が残る内容だった。→2021/02/12