内容説明
2018年末の改定入管法により,外国人労働者の受け入れ拡大が進められている.だが,そこでは彼らは労働力として扱われ,人として受け入れる視点が欠けている.移住女性の状況やヘイトスピーチの問題などにも目配りしながら,いま日本で暮らす,そして新たにやって来る外国人と共に生きる多文化社会への途を考察する.改定法を踏まえて見直した新版.
目次
はじめに┴コラム 在日コリアン┴第1章 外国人労働者はどう受け入れられているか┴コラム 日系南米人受け入れは何だったのか?┴第2章 人口減少・超高齢社会と外国人労働者┴第3章 移住女性の権利を守るには┴コラム 移住女性の再生産活動の尊重を┴第4章 社会的・文化的受け入れ態勢を整える┴コラム 社会保障ただ乗り「問題」を問う┴コラム ヘイトスピーチ解消法と解消されない差別┴第5章 多文化社会を共に生きる┴コラム 国籍問題┴コラム 難民┴引用・参考文献┴巻末資料 在留資格一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yukiko
8
2019年10月現在の日本の外国人受け入れ制度のあり方を網羅的に説明し、人権の観点からの問題点をしらみつぶしのように挙げている。目配りがよくて、わかりやすい。2019/12/31
ブルーツ・リー
6
これから外国人労働者を受け入れるに当たって、現在外国人労働者の人権が余りにも蔑ろにされているのではないかと指摘した書。 恐らく、その通り。 本来「労働力」などという存在は無く、労働力として受け入れる存在は「人」である。 人である以上、人権があるのは当然である。外国人労働者に、権利と義務の両面を与え、単に使い捨ての道具ではなく、人間としての権利と責任の中で生活して貰うのは当然である。 もちろん、日本の文化やルールを守って貰う事も同時に行った上で、人間としての権利を守るのは、当たり前の事である。2022/02/11
May
5
外国人労働者に関わる、外国人労働者側に立った視座から見たいくつかの課題の概要を記したもの。一つの課題を掘り下げるものではなく、また、課題解決策を具体に記することもない。外国人問題の概要を知りたく手に取ったわけで、実は十分な内容なはずなのだけれど、また、ブックレットなのだから当たり前なのだけれど、物足りなく、散漫な印象を持ったしまった。まぁ、もっと深く知りたいと思ったということなんだから、外国人問題に目を向けてもらおうとする著者たちの思惑どおりになったんだろうね。2024/05/30
い
2
2018年の入管法改定による「特定技能」による影響を加筆し、数字もアップデートされた新版。旧版と比べ変更点は多いが、筆者の主張は、外国人雇用者を「労働者」として見なすのではなく、共生社会の実現に向けて、社会的・文化的な受け入れ姿勢を整え、市民権を認めていくことにある、ことは一貫していて良かった。2018年現在の在国外国人は約273万人(旧版より40万人程度多い)、就労外国人は200万人を越える(旧版より100万人以上増加)。日本の実情を考えると、もう少し真剣に考えていく必要がある。2025/07/04
安藤 未空
1
外国人を労働者として受け入れるのであれば、彼らに対して、たとえば、日本語教育の機会を与えたり基本的人権に含まれると考えられる家族の帯同を認めるべき。その場合は、子どもの教育機会も提供するべき。 この本の主張は至極真っ当だとは思うけれど、外国人労働者受け入れに対するそのようなコストを払う体力が現状の日本にはない。 そうであるなら、外国人労働者に日本の対応を理解したうえで、それでもなお日本に来たいか選んでもらうしかないのではないか。 日本における外国人労働者受け入れの経緯と法律上の扱われ方はわかりやすかった。2024/01/30
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