内容説明
時を越え人々の日常に寄りそうもの──。
「音」に着目し選びぬいた作品九篇。
演奏家でもあった著者の音楽を扱った小説集。「南京小僧」「浪曲風ポルカ」など気高い小品や「日本遊民伝」といった骨太作品も収録。
日劇ミュージックホールでの演奏など、ギタリストとしても活動した深沢七郎。エルビス・プレスリーを愛し、ジミ・ヘンドリクスを好んで聴いた彼の小説は音楽的と評されることも多い。その中から、俗謡、洋楽曲、楽団員といった、音楽を扱った作品を精選。著者の眼差しが見えてくる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yusukesanta
17
朝に「日本遊民伝」読んでイイなァイイなァと思って出勤して、職場の人に「オオガクン、遊んで稼げる方法ってなんかねェかなぁ〜?」と云われたので、これはやはり深沢七郎の魔力だろう...。ほんとうに良い小説ですね。読後とてつもなくノンビリした気分になる。これはほとんど薬飲んでラリった状態と同じではないか。薬といえば、ハンク・ウィリアムズやマリリン・モンローとか、世界人類に貢献したヒトは皆、麻薬中毒でスグ死んじゃったと、この小説に書いてあったけど、そういえば今日はマリリン・モンローの命日じゃないっすか。うむ。2016/08/05
刳森伸一
7
深沢七郎の音楽に関連する作品を集めた作品集。タイトルで小説選といいつつ「木曾節お六」という戯曲も所収されているが、これが中々の逸品なので許せる。 他には、友人の晴れ舞台のための資金繰りを花札で行う「花に舞う」と、遊民として生きる人々を描いた「日本遊民伝」という表題作2篇がいい。2019/03/29
ライム
1
「人生はパチンコ玉、倹約するより一発当てて儲けよう」という遊民の生き方を、著者は身をもって体現した事が巻末の年譜からもうかがえる。戦前の山梨でギターに打ち込む風変わりな少年、そして25歳のとき東京で単独公演やり、その後もストリップ小屋でのギター奏者と興味が尽きない経歴。その著者の音楽にまつわる短編集、意外と演奏者目線の話はわずか。中でも演奏会の裏方で、チケット手配や楽団員を世話する奮闘記が良い。売上が大コケするも顔に出さず、平然と仲間と花札…哀しい姿が面白い。2023/11/23
はじめ
1
花に舞う 「芝居は、賢い者のすることでもないし、といって馬鹿ではできないことなのだ」 233 「なるほど、と客が思うところがなければいけない」と、老いた座長はその点だけを忘れない。……殺陣でもコミックをまぜてするほうがいいのである。だが、コミックになっても……そうして感動がなければいけないのだ。「なるほど」と客に思わせるところに芸の魅力があるのかもしれない。 2382021/02/04
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