内容説明
世界の注視を集めた二〇一四年夏のイスラエル軍のガザ侵攻時,何が起こっていたのか.この六年にみたび戦火を経験した子どもたちは,日々をどう生きているのか.事態は悪化し,「安全なところはどこにもない」(著者)――.悲劇が繰り返される土地・パレスチナに二〇年以上通うジャーナリストが伝える現地の声.写真多数.
目次
はじめに┴1 三度の侵攻を経験したサムニ家の子どもたち┴1 二〇〇八年一二月~〇九年一月┴2 二〇一二年一一月┴3 二〇一四年七~八月┴2 二〇一四年 侵攻の証言┴1 攻撃現場┴2 緑豊かな農業地帯・フザア村で起きた悲劇┴3 戦時下の支援┴おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
37
2012年、市民(子ども、女性、お年寄り)を虐殺するイスラエル。市民がいることを知っていて殺すとは、と閉口している(27頁上段)。戦争でいつも犠牲になるのは、弱い人達。抵抗する術を持たない。武器を持っていたとしても、それ以上の武器でやられる。ハッサン(19歳)は、最も重要なのは、弱きにならず、諦めず、降参せず、人生で最も希望のないときでも生きる意欲を守ること(57頁)。2015/11/05
学生
5
1/21(土曜日)23:00~00:00 ETV特集 ガザ 私たちは何を目撃しているのか2024/01/21
Noboru
2
様々な宗教や価値観に比較的寛容な日本人としては、なぜここまでいがみ合うのか理解が及ばない点もありますが、子どもや老人、女性など市民が犠牲になる争いには気持ちが塞がります。イスラエルのパレスチナ問題、歴史の根が深いだけに、容易に解決できないものなのでしょうか…2015/09/15
yone
2
パレスチナ自治区でイスラエル軍の攻撃に耐え続ける子供たち。子供たちを含む一般市民が標的にされ、障害を持った車椅子の子すら無残に殺されていく。いくらユダヤロビーが強いからと言って、こんな事が許されるんだろうか。差別、抑圧を受けたユダヤ人が更にひどい差別、抑圧をパレスチナ人に行う。やりきれない思いになる。この本は生々しい子供の証言が中心なので、背景などは別に調べた方がいい。2015/07/12
三山
0
特にガザの子供たちについて取り上げられ、一部は2008、2012、2014の三度のガザ侵攻を経験したサムニ家の子供たちについて、二部は2014年(つまり一番直近の)ガザ侵攻について書かれている。あの時ガザで何が起きていたのか、それを知るために読むことができる。2016/01/16