内容説明
*注意! この短編集はすべての短編に叙述トリックが含まれています。騙されないよう、気をつけてお読みください。
本格ミステリ界の旗手が仕掛ける前代未聞の読者への挑戦状!
よく「叙述トリックはアンフェアだ」と言われてしまいます。これが叙述トリックというものの泣きどころです。
では、アンフェアにならずに叙述トリックを書く方法はないのでしょうか?
答えはノーです。最初に「この短編集はすべての話に叙述トリックが入っています」と断る。そうすれば皆、注意して読みますし、後出しではなくなります。
問題は「それで本当に読者を騙せるのか?」という点です。最初に「叙述トリックが入っています」と断ってしまったら、それ自体がすでに大胆なネタバレであり、読者は簡単に真相を見抜いてしまうのではないでしょうか?
そこに挑戦したのが本書です。果たして、この挑戦は無謀なのでしょうか? そうでもないのでしょうか?その答えは、皆様が本書の事件を解き明かせるかどうか、で決まります。(「読者への挑戦状」より一部抜粋)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
future4227
89
どうやら本の帯に仕掛けがあるらしいのだが、電子書籍で買ってしまったからわからないじゃないか。気付けばほとんど人が死なず、しょーもない珍事件ばかりなのだが、めちゃめちゃ謎めいていて簡単には解けないミステリーをもの凄く頭のいいオタク探偵がいとも簡単に解決してしまう。そして、この本の目玉は叙述トリックであることを最初に宣言してること。そうとわかっていても騙される、見破れない。あとがきでさえも気を許してはいけない。コミカルな会話でミステリー感があまりないけど、推理力より読解力が要求される面白ミステリーだった。2021/09/10
みゆ
89
初読み作家さん。叙述トリックが入ってます!と宣言した短編集。「騙されないぞ」と挑んだんだ結果…2話目大学の写真部の話だけは見抜けましたが残りは完敗でした(^-^; 見事なミスリードに「ヤラれたね」と思う一方、事件の謎解き本体が強引なのはご愛敬(^_-)-☆ でも面白い趣向の本でした。ガッツに敬意!がんばれ、似鳥さ~んヽ(^o^)丿2021/05/27
Ikutan
86
予め叙述トリックが含まれていますよと宣言していて、おまけに冒頭には『読者への挑戦状』としてヒントまで載せられていて、それで騙されるなんてと半信半疑でしたが、いやぁ、しっかり騙されました(笑)取り上げられているのは、何れも、「えっ、それって不可能なんじゃない?」と思える身近な謎。いつものように、所々に付けられた注釈とクスリと笑えるエピソードや会話。油断していると最後にそういうことかと。本の帯にも仕掛けあり。あとがきと種明かし、もう最初から最後まで叙述トリック満載、似鳥さんのこだわりが詰まった一冊でした。2021/05/09
オーウェン
68
叙述トリックをこうも大大的に宣言する作品も中々ないが、作者もすべての真相を見抜けるのは稀であるという挑戦状が。 叙述についても説明はあるが、その中で6つの短編とあとがきという構成。 実は冒頭の説明から種明かしのヒントがあるのだが、それはあとがきに載せる伏線でもある。 他作品で見たトリックもあるが、ラストに実はこうでしたと明かされるのは爽快でもある。 この6篇すべてに登場する人物がいるのだが、これの種明かしこそ一番のハイライトなのかも。 作者の他作品も見てみたくなる。2024/03/04
けいぴ
61
今まで叙述トリックものを読んで、100%引っ掛かっているわけですが(笑)、今回も「絶対に見破ってやる」からの「やられた~」でした。ほのぼの まったり系の短編集で、何度か寝落ちしてしました。「背中合わせの恋人」はよかった!2021/12/12