内容説明
幼いころに迷い込んだ山奥の洋館。そこで出会った、すいこまれるように深い緑の髪の少女に、信彦は心を奪われる。やがて時を経て再び少女――明日香に会ったとき、彼女に課せられた運命が二人をのみ込もうとする。明日香の髪に秘められた力、彼女の正体、そして帰るべき場所とは。表題作ほか、2編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
240
そっか。これまでSFと言うジャンルを狭く捉えていた様です。もっと自由度の高いものなんですね( ¨̮ )。40年超前の作品ですが、首尾良く新装版が出てました。表題作を含む3作品。設定は比較的思い付きそうなものばかりに思いましたが、その味付け方は中々凝っていると言うか、独特な物を感じました。他の作品もこんな素子ワールドが展開されているのでしょうか。表題作は、レクイエム感は感じませんでしたけど雰囲気ね。『週に一度のお食事を』は、ドラキュラとの共存の道はないのか妄想が捗る。『宇宙魚顛末記』は、悪魔を茶化すの楽し。2022/09/13
有理数
16
素晴らしい。収録三編ともが傑作。瑞々しく、柔らかで素直な文体と物語が、王道SFの跳躍する想像力や、ミステリに接近した驚きとサスペンスとに、完璧な色合いで融合している。ともすれば可愛らしいキャラクター像ながら、焦燥と大いなる壁にぶち当たったときの深い深い思索の海は、確かな瑞々しさのまま、読み手の想像を超えるような決意へ到達する。そのときの切なさ、美しさといったら。キャラクターや物語と溶け合うアイデア、そこに向かうキャラクター(とりわけ女の子)の、意志や精神の眼差し。これは時代を拓いて当然という他ない。2021/04/30
みんみ
11
久々の新井素子さんの作品。少女マンガ的な雰囲気でほわほわと不思議。だけど、本当にそんなことが起こったら、とっても大変。純粋な気持ちと一途な気持ち、そして理不尽な展開。独特な世界観に癒されます。2025/07/01
だんでらいおん
11
【購入本】現代ライトノベルズの先駆者ともいうべき新井素子さん。私が新井さんを初めて知ったのは、小学生のとき。古本屋さんでのコミックを立ち読みしていて、この表題作でもある『グリーン・レクイエム』に出会い、その後しばらくSFファンタジーの世界にどっぷり浸かっていました。そのオリジナル新装版が新刊の平棚に最後の1冊置かれていました。さくっと読めて、最後は悲しい結末のはずなのに、どこか満足感に満たされる。何度でも読みたい。2021/05/03
chiro
9
中学生の頃に読んだ記憶があり、新装版を発見して久しぶりの再読。あれ?こんな話だった?というぐらい全く覚えていなくて笑。こんなに想像力豊かな可愛いファンタジーを読んでいた時代もあったのか…と驚く。2021/08/02
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