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内容説明
地域経済の復活なしに日本再生はありえない!
グローバル化とデジタル革命以後の現代日本において、GAFAのようなグローバル企業が誕生したとしても、そこから大きな雇用は生まれない。
一方で、GDPの7割はローカル経済が占めていて、そこに8割の人が働いており、かつ彼らの多くが日常生活を支える社会に不可欠な仕事についている(エッセンシャルワーカー)。
そうした人々が確かな待遇を得られる社会になれば日本は再び豊かさを取り戻す。そのための方策が中小企業の生産性を高めるCX・DXなのだ。
エッセンシャルワーカーが稼げる真に豊かな社会に向けた道筋を、数々の企業再生を手掛けてきた冨山和彦が田原総一朗と語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
19
『日本は倒産した人を徹底的に追い詰める設計になっている。制度として延命できるような設計にしておいて、いざ本当に首が回らなくなったときのことをまったく考えていないから、こんな人生や命をおろそかにするようなことがまかり通るんです。』『人口三十万規模の自治体が地方再生のカギを握っている。まず限界集落の再生みたいなイメージで語り始めることを真っ先にやめるべき。』色々と興味深い話を読むことが出来ましたが、何だか虚しさも感じます。再生どころか日本はこの先もとうぶん変わることができないと思うから。2023/12/18
もえたく
17
カネボウやJALなど多くの企業の経営改革に携わってきた冨山さんとジャーナリスト田原さんが、日本再生の鍵は地域経済の復活であると語り合う。「補助金で生きながらえている中小企業のようなゾンビ企業は淘汰再編」「イノベーションの波に飲み込まれない企業は探索と深化のバランスが高い次元で取れている両利きの経営」「日本経済の主流はグローバル企業(G型)ではなく7割を占めるローカルサービス業(L型)。地方経済の回復なしに日本経済の復興はあり得ない」興味深く読めました。2022/10/23
大先生
14
G(グローバル)とL(ローカル)という視点から経済を見つめ直し、L型産業の生産性を上昇させることこそが日本経済復活のカギであるという趣旨のことが書かれた本です。日本には中小企業が多すぎるし、何といっても補助金等で生きながらえているような「ゾンビ企業」には淘汰再編で退場していただきましょうと。まずは地方の中核都市に人を集める。そうすれば自然とL型産業が発生し雇用も生まれる。だから、都市の人材を地方へ送り込もうとも書いてありましたが、それをどうやるのかという肝心のところが…きちんと説明されてないような(苦笑2021/07/01
青鷺
9
経済を再生するのに重要なのは現場、そしてローカル企業。コロナ禍でエッセンシャルワーカーの重要性を目の当たりにしている今、そして、デジタル化が進まず、色んな対策が遅々として進まない今、改めて変化の必要性を感じる。また、著者が主張する地方大学の今後の話などを読むと、自分自身も固定概念に捕われてしまっていることに改めて気づかされた。2021/07/04
みどりちゃん
5
GAFAの様なグローバルなG型ではなく、地域に根差したローカルなL型の企業が日本を復活させるという主張。そのローカルこそエッセンシャルワーカー(必要不可欠な労働)であり、30万人規模の都市でエッセンシャルワーカーを軸とした新中間層の構築が必須との考えに納得。2021/10/05