内容説明
ニューヨークの暗黒街で一目置かれる存在となった異色の用心棒、ジョー。彼のもとに裏社会の顔役たちから新たな依頼が舞い込んだ。テロ計画の原資になっているという薬物の供給元を潰すことは出来るのか? 大反響を呼んだ『用心棒』に続く、シリーズ第二作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
88
ああもう、抜群に楽しい。ウェストレイクのドートマンダーや、エルモア・レナード好きに激推奨のツボど真ん中!酒、ドラッグ、PTSDと、冒頭はめっちゃ荒れてるジョー・ブロディさんが、今回はベケット読みながら、ダイアモンド強盗にヘロイン強奪、そして、組織のネズミを狩り出すミッションに挑む、ジェットコースター・クライム・ノベル。登場人物入り乱れての視点変化に、くっだらない伏線回収が素晴らしすぎる。ユーモアとヴァイオレンスの塩梅が絶妙で、1ページたりともタルさを感じさせない。すなわち最高♪ これ続くよね!ね!2021/04/28
のぶ
86
タイトルの通り前作「用心棒」の続編なのだが、かなり目まぐるしい物語だった。主人公、ジョーブロディーは、ストリップクラブに勤務する用心棒だが、その本業を描いた作品ではない。彼のもとに裏社会の顔役たちから、テロ計画の原資になっているという薬物の供給元を潰すことができないかと、依頼が舞い込んだ。その依頼を請けたジョーだが・・・。ジョーを中心としながらも、他の登場人物たちがユニークで楽しませてくれる。幼なじみのジオ。金庫破りのプロ、エレーナ。FBI捜査官のドナ他。皆が入り乱れて、面白い一冊になっていた。2021/04/16
Panzer Leader
72
「第187回海外作品読書会」本作は訳者さんや他の方が書かれている通り、正に重犯罪バージョンのドードマンダー・シリーズの様な持ち味。しかも犯罪組織のトラブルシューターであるジョーは映画「荒野の用心棒」のクリント・イーストウッドのように善人か悪人か分からない飄々としたキャラクター。死者も結構出てくるが全く重くなくカラッとした作風。ウィンズロウの「ボビーZ」に似ているエンタメ・アクションでこれ以降シリーズ化されるのならばぜひ読みたい。2021/08/29
harass
70
跋扈するテロに危惧する暗黒街のボスたちは、対テロリスト要員として元特殊部隊の主人公を保安官がわりにたてることになった前巻。テロリストからの薬物取引を持ちかけられた暗黒街のボスたちは、主人公に対策を依頼する。支払い方法のダイヤモンドと薬物の両取りを計画するのだが。方向がはっきりしたせいか、実に読みやすく感じた。古き良き犯罪小説と現代をうまく融合させた娯楽小説。ぜひおすすめ。多くのキャラが実に魅力的。ジオやお約束の主人公とお互い恋心を抱くFBI女性捜査官のドナ。悪のエレーナのほうが魅力的なのは正に現代的。2022/02/21
ナミのママ
62
スピーディーな展開で前半から引き込まれる。今作ではジョーのキャラクターより周囲の仲間が楽しい。ジョーに今回与えられたミッションは複雑かつ難解。ストーリーもそれにおとらず目まぐるしい上に、裏切りものやFBI、CIA、前作からの人物も加わりかなり賑やか。途中で何回か登場人物を見返してしまった。そのわちゃわちゃ感が楽しい。前作で気になっていたジョーの過去も少しずつ明らかになり、今作の方が面白かった。 2021/04/22