内容説明
ベートーヴェンの読本を、遺された日記や手紙とともに解説する。
文学と哲学をこよなく愛した、偉大なる作曲家ベートーヴェン。
その豊潤な読書体験が「楽聖」の素養を形成した。
ゲーテ、シラー、シェークスピア、カント、ルソー、ザイラーなど。
膨大な記録をもとにその人間像を探求した、ベートーヴェン論の決定版。
演奏者はもちろん、ファンも必読の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
48
残された会話帳、手紙、遺品などから、ベートーヴェンが生涯に読んだ本を網羅して、この膨大なリストを作成された著者に心から敬意を表したい。ゲーテ、シラー、シェークスピア、カント、ヴォルテールが重要な位置を占めるのは当然のこととして納得できるが、ギリシャ古典文学(特にホメロスの叙事詩を愛好)に造詣が深かったこと、更に、インド古典文学に深い興味を抱いていたことは少し意外だった。それにしても、興味を持った部分を抜書きしたり下線を施したりして丁寧に整理しているベートーヴェンの知的な態度に、改めて尊敬の念を深くする。2020/04/17