図解でよくわかる 核融合エネルギーのきほん - 世界が変わる夢のエネルギーのしくみから、環境・ビジ

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図解でよくわかる 核融合エネルギーのきほん - 世界が変わる夢のエネルギーのしくみから、環境・ビジ

  • ISBN:9784416620564

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内容説明

海水から水素を取り出し、核融合反応によりヘリウムに変えることにより得られる莫大かつクリーンなエネルギーが、核融合エネルギーです。
核融合エネルギーが実現化することで、私たちの生活が大きく変わり、環境問題にもたいへん大きなインパクトを与えることができます。
「核」と名の付くことから危険なイメージを持たれますが、ウラン等を使う核分裂炉に比べて安全性も高く、かつ宇宙時代の惑星間航行など、将来の技術革新には欠かせない技術であることから、2050年の運用を目指して、世界の研究機関で協力しながら、あるいは野心的なベンチャー企業によって、開発が進められてします。

本書は、核融合という言葉は知っていても、どのようなものか具体的には知らない人、またエネルギー問題に興味のある人、将来の研究者およびその教育者、ビジネスチャンスを狙う人など、多くの人に読んでいただけるよう、様々な方面から核融合エネルギーについて解説します。

目次

No.1 核融合実験炉ITER の建設
No.2 核融合実験炉ITER 完成時の透過図
No.3 2020 年3 月に量子科学技術研究開発機構・那珂核融合研究所に完成した、日本の超伝導核融合実験装置 JT-60SA
No.4 自然科学研究機構・核融合科学研究所(土岐市)の超伝導核融合実験装置 LHD
No.5 大阪大学レーザー科学研究所の大型レーザー設備、激光XII号とLFEX レーザー
はじめに

第1章 核融合エネルギーとはなにか?
1-01 核融合エネルギーが拓く未来
1-02 人類のエネルギー利用の変遷
1-03 人類の進歩とエネルギーの話
1-04 ものが燃えるしくみを知る
1-05 水素は燃えるがエネルギー源にならない理由
1-06 太陽はどうして燃えているのか?
1-07 水素のもう一つの燃え方を知ろう
1-08 ほぼ無尽蔵の海水が燃料となる
1-09 恒星は核融合で輝いている
1-10 物質の第四の状態「プラズマ」を知る
1-11 日本の核融合試験装置JT-60Uでは、5.2億度を達成
1-12 宇宙のプラズマと星の関係
1-13 星とプラズマの輪廻
1-14 他のエネルギー源と比較してみよう

第2章 核融合エネルギー実現のために必要なこと
2-01 人知が生み出す新しいエネルギー資源となる
2-02 高温プラズマをいかに“閉じ込める”のか?
2-03 人工太陽、「地上の星」を作るために研究が進む
2-04 捩じれた磁力線で編んだトーラス装置
2-05 世界の最前線を行く大型プラズマ実験装置
2-06 核融合炉は巨大かつ強力な超伝導コイルの集合体
2-07 運動エネルギーを熱エネルギーに
2-08 熱さに耐える材料を求めて
2-09 燃料を自分で作り出す
2-10 燃料をたくさん作る材料
2-11 電子レンジと同じ原理で加熱する
2-12 アルファ粒子はプラズマ加熱後にヘリウム灰に
2-13 一億度のプラズマの計測と制御方法
2-14 熱を電気に変換する
2-15 遠隔装置での保守点検を行う
2-16 2050年を目指す核融合発電計画
2-17 レーザー核融合のしくみを知る

第3章 核融合エネルギーの安全と環境問題
3-01 人類文明と生態系を守るエネルギー政策
3-02 実用化に向けた開発計画について
3-03 核融合の「安心感」と「安全性」
3-04 すぐ停められ、早期に減衰が可能
3-05 廃棄物の種類と最少化について
3-06 核融合のエネルギー資源
3-07 核融合の燃料サイクルは所内で閉じる
3-08 エネルギー問題は環境問題と考えよう
3-09 電力系統の安定性に必要なことは?

第4章 核融合エネルギーとビジネスについて
4-01 エネルギー産業の過去と未来
4-02 「スタートアップ」という新しい仕事のかたち
4-03 核融合から生まれた新技術
4-04 世界では核融合ビジネスが始まっている
4-05 人類未踏技術への挑戦

第5章 教育現場で核融合の理解を深める
5-01 理科(物理・化学)と社会(歴史・経済・倫理)の調和と共創
5-02 30年先の研究者・技術者を目指して
5-03 核融合を学ぶことは宇宙を学ぶこと
5-04 核融合研究に取り組む大学
5-05 核融合研究に取り組む研究機関
5-06 核融合の知識を深めるための公式・計算式
5-07 核融合を学ぶ・体験する施設

第6章  核融合エネルギーが実現化するとどのような世の中になるのか
6-01 核融合と電気料金
6-02 核融合ロケット
6-03 火星まで90日以下で行ける
6-04 人類は太陽系から脱出できるのか

おわりに
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

猫路(ねころ)

7
核融合の基本的なことが網羅できました、素晴らしいエネルギー技術ですね、オープンキャンパスに行ってみたいです。水爆と核融合の違いとか無知な面で助けられました。2023/02/10

ZⅢ

7
核融合のエネルギーの可能性と原理が分かりやすく解説されていて面白かった。 ・水素の核融合反応と石油の化学反応では、1500万倍も発生するエネルギーが異なる。 ・ベクレルは放射能の強さを示す単位ではなく、1秒間に何個の原子が放射能を出すかの単位。人体からも7000ベクレルの放射能が出ていることから考えても、脅威の指標にはならない。 ・鉄は核融合も核分裂も起こさない最も安定な元素なので、鉄より重い元素は超新星爆発か、中性子星の合体からしか生まれない。2021/04/18

まあさん

3
久々の理系本。先端技術を解説してもらえ、興奮させてもらいました。2025年にITER完成だそうな。大阪万博も、阪神二軍球場もおなじ頃に完成です。どうでもいいか。最先端とはいえ結局、質量欠損がベース。プラズマを起こすのが大変だからいいけど、何かがひっくり返るような、理論でもない。とは言え、そこで開発された技術が何処かでも応用できそうな感じ。やっぱり未来を見るのは楽しいです。2023/10/12

まっちゃん2

3
読み始めは、すごく簡単で中学生向きか?とおもったが進むにつれ結構難しい話になる。本質的に重要な事柄を一般にも理解可能に図を豊富に使って解説している。核融合の本は意外と少なくてこれが一番新しいそうということで購入した。 1970年代後半、プラズマ物理をセミナーで勉強したがほとんど忘れてしまった。それから40年以上たって着実に実用化は近づいている。それにしても長いですね、発想から100年単位ですね。2022/11/20

黒豆

3
タイトルの「きほん」が「ひらがな」なことから分かり易さ?もしかして子ども用?少なくとも平易な事を予感。平易であり科学的な視点に加えて技術的な達成度を加え基本から工業化のレベル問題点など読み応えあり、最近ニュースなどでの話題ないなあ?一方で生きている間に商業化は無理かな?2021/04/12

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