内容説明
米国史上はじめて全国民に保険加入を義務付けたオバマの医療制度改革法。当初公的保険による皆保険制度を目指していた改革はどんな政治的対立を経て法案を成立させたのか。民間保険をベースにした点で独特の「米国型」皆保険制度とでも表現できるその制度の全体像、意義と課題、そして今後の展望について考察する。
目次
はじめに
第1章 医療改革の歴史と医療保障制度の現状
第1節 医療改革の歴史的展開
第2節 公的医療保障の限定性
第3節 民間医療保険の中心性
第4節 無保険者
第2章 オバマ政権の医療改革の概要と特質
第1節 改革の成立過程と主な内容
第2節「パブリック・オプション」案の挫折
第3節 メディケア拡張案の失敗
第3章 改革をめぐる政治的対立とその超克-民主党を中心に
第1節 民主党の変容
第2節 クリントン政権の医療改革をめぐる党内対立
第3節 改革成立の背景
第4章 オバマ改革の残された課題(1)-政治的な課題
第1節 両極化される米国政治-共和党の保守化と反対
第2節 訴訟問題と分裂する世論
第3節 実施面での混乱
第5章 オバマ改革の残された課題(2)-医療面での課題
第1節 米国における医療費の高騰
第2節 不十分なコスト抑制措置
第3節 メディケアの民営化-その意味するもの
第6章 現代米国医療政策の課題
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
7
米国の医療保険制度の仕組みと歴史的背景、共和党と民主党の医療政策の違い、今までどの政権もなしえなかった国民皆保険制度をなぜオバマ政権がなしえたかという点など、少々難解だが、これ一冊でアメリカの医療政策がつぶさに理解できる。結局のところ、米国に欧州や日本のような公的医療保険制度が導入できない理由は、民間医療保険のシステムの複雑さにあると言っていい。米国独特の徹底的な個人主義と利害団体と商業主義とがそれに絡んで、徹底して公的医療保険制度の導入を阻んでいる。更に国民の過半数が賛成しないのも、それに拍車をかける。2014/04/02
papahaba
0
国民皆保険がなく、医療費高騰のアメリカ。オバマ政権の医療改革だけでなく、アメリカ医療保険制度、歴史、政治的経緯・背景、現制度と課題まで豊富なデータを基に実証的に解説している良書。強い中央統制政府をイデオロギー的に持ちえない国が、軍事・福祉・医療・税制・規制等 の改革を進める事は、破綻モード以外にあり得ない事は怖い。2020/06/28
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